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歴史的データの収集

歴史的研究でもちいるデータは文書記録，つまり，日記,書簡，メモ，新聞,会議議事録,医学または法律文書などが常である．

しかし，文書のかたちをとらない資料もある．

たとえば，残存している事物や物的証拠は情報源となるものである．

写真，フィルムなどの視覚的資料や，レコード，テープなどの聴覚的資料も一種のデータである．

歴史的できごとに参加した人々に面接できる場合もある．

歴史的資料の多くは入手困難であり，多くの場合，廃棄されてしまっている．

歴史的に重要な資料には，必ずしも主題・著者・タイトル別の便利なインデックスがあるわけではない．

適切な歴史的資料を確定するまでに,通常,かなりの時間,労力，探索の作業が必要である．

幸い米国の場合，歴史的な看護の記録文書を保管する施設が，いくつかの大学(例：コネティカット大学看護リーダーシップ資料館,ボストン大学マーカー記念図書館看護資料館，コロンビア大学教育学部ミルバンク記念図書館，イェール大学スターリング記念図書館，オースティンのテキサス大学看護史サウスウェストセンター,ペンシルバニア大学看護史研究センター)や，国立医学図書館，アメリカン・ジャーナル・オブ・ナーシング社，全米看護連盟(ＮＬＮ)，ニューヨーク公立図書館などにある．

米国の資料館を確認する際の有用な情報源には，『National Inventory of Documentary Sources in the United States｣や｢Directory of Archives and Manuscript Repositories in the United States｣がある．

最後に，American Association for the History of Nursing (米国看護史学会)は『Nursing History Review』を出版しており，官公資料や民問資料のコレクションがどこにあるかを特定する情報源となる．

資料館は，図書館とは異なる．

資料館には，カードカタログではなく．検索エイト(finding aid)によって入手できる未刊行資料がある．

検索エイトは，資料館に何があるかを研究者に教える情報源である．

資料館の資料を外に持ち出すことはできず,研究者は,その場で資料を見るよう求められることが多い（マイクロフィッシュを利用できる場合もある).

ふつうは，資料がもろいので複写できず，研究者は，詳しくメモをとらなくてはならない(ラップトップ型コンピュータは．計り知れないほどに役立つ)．

オリジナルの資料に触るときには手袋が必要な場合もある，

資料館にプロジェクトの企画書類を提出した研究者だけに資料館の利用が制限される場合がある．

歴史的資料はふつう，１次資料と２次資料に分類される．

１次資料imary source)とは，オリジナルの文書,遺物(relic)や人工遺物(artifact)などのような直接の情報である．

たとえば，ソフロニア・パックリン〔Sophronia Bucklin, 1869〕の日記や著述，初期の米国看護師協会（ＡＮＡ）大会の議事録，病院記録などがある．

文書化された１次資料は，記述されたできごとに直接に関係した人々によって書かれている．

１次資料は，歴史的できごとや状況ともっとも直接的なつながりをもつものであり，原形としてのできごとと歴史的研究者とのあいだに介在するのは記録者（文書資料の場合）だけである．

２次資料(secondary source)は，歴史的できごとまたは経験についての２次的，３次的な説明である．

たとえば，教科書，その他の参考図書，新聞記事などは，２次資料である．

いいかえれば，２次資料とは，そのできごとに参加していないが，１次資料を要約したり解釈した人によって書かれた，できごとの論考である．

２次資料は，歴史的な場合も（たとえば新聞は，研究するできごとと同時期のものである），

過去のできごとについての近代的な解釈の場合もある．

歴史的研究では，可能なかぎり１次資料を使うほうがよい．

歴史的事象から時間的に離れた情報ほど，データは，信頼性，客観性，また包括性に欠ける傾向がある．

しかし，１次資料を探すときに２次資料が役立つことがある．

２次資料を読む際には，その脚注が１次資料についての重要な手がかりとなることが多く，注意をはらうことがとくに重要である．

歴史的研究においてデータの収集は極めて重要なプロセスであり、正確な情報の取得が研究の質を左右する要因のひとつです。歴史的データとして頻繁に用いられるのは、日記や書簡、メモ、新聞、会議の議事録、医学や法律文書などの文書記録です。これらの文書記録は、歴史的出来事や文化、社会状況を理解するための直接的な情報源となり、研究者にとって貴重な資料となります。しかし、文書記録だけが歴史的データの唯一の形態ではなく、例えば、物的証拠や現存する遺物なども歴史研究の貴重なデータ源とされています。これには、建物や道具、衣服、工芸品、墓石など、形ある形態で残存している事物が含まれます。また、写真やフィルムといった視覚的資料、レコードやテープといった聴覚的資料もデータの一種であり、視覚や聴覚に訴える形で当時の状況や雰囲気を理解する手がかりを与えてくれます。さらに、歴史的出来事に直接関わった人々にインタビューを行うことが可能な場合もあり、このような一次情報は当時の状況をより鮮明に再現するための貴重な証言となります。しかしながら、こうした歴史的資料の多くは入手が困難であることが多く、特に過去に作成された文書や物的証拠の多くはすでに廃棄されている場合が多いのです。また、歴史的に重要な資料が全て整理されているわけではなく、必ずしも主題や著者、タイトル別にインデックス化されていないことも多いため、研究者は必要な資料を特定するために相当の時間と労力を要することが一般的です。これは、歴史研究のためのデータ収集が単に文書を閲覧するだけではなく、広範囲にわたる調査と探索作業を伴うものであることを示しています。しかし、幸運にも米国では、歴史的な看護の記録文書を保管する施設がいくつか存在し、例えば、コネティカット大学看護リーダーシップ資料館やボストン大学マーカー記念図書館看護資料館、コロンビア大学教育学部ミルバンク記念図書館、イェール大学スターリング記念図書館、テキサス大学看護史サウスウェストセンター、ペンシルバニア大学看護史研究センターなどが挙げられます。これらの施設には看護に関する歴史的文書が体系的に収蔵されており、研究者が直接利用することが可能です。また、これに加えて、国立医学図書館やアメリカン・ジャーナル・オブ・ナーシング社、全米看護連盟（NLN）、ニューヨーク公立図書館なども歴史的データを保管しており、歴史研究者にとっての重要な情報源となっています。こうした米国内の資料館を調査する際に有用な情報源として、『National Inventory of Documentary Sources in the United States』や『Directory of Archives and Manuscript Repositories in the United States』といったリソースも存在し、これらを参照することで効率的な資料の探索が可能となります。また、American Association for the History of Nursing（米国看護史学会）は『Nursing History Review』を発行しており、これが官公資料や民間資料の収蔵場所を特定するための手がかりとなることも多いです。資料館の特徴として、一般的な図書館とは異なり、資料館ではカードカタログを使用するのではなく、検索エイドと呼ばれるツールを用いて未刊行資料を探すことが一般的です。この検索エイドは資料館に収蔵されている資料について研究者に必要な情報を提供する役割を果たし、これにより資料の所在や内容を把握しやすくなります。資料館内での資料は多くの場合、外部に持ち出すことができず、現地での閲覧を求められることが一般的です。資料が脆く破損しやすいため、複写が制限されることが多く、研究者は綿密なメモを取る必要があることから、ラップトップ型コンピュータの使用が極めて有効です。また、オリジナルの資料に触れる際には手袋が必要な場合があり、資料保護のためのルールが厳格に定められています。さらに、プロジェクトの企画書を提出した研究者に対してのみ資料館の利用が許可されるケースもあり、特定の条件下での利用が求められることもあります。こうした歴史的資料は大きく一次資料と二次資料に分類されます。一次資料（primary source）は、オリジナルの文書や遺物、人工遺物などの直接的な情報源を指し、例えば、ソフロニア・パックリンの日記や著述、初期の米国看護師協会（ANA）大会の議事録、病院記録などが該当します。一次資料は記録された出来事に直接関与した人物が作成したものであり、出来事や状況との直接的な結びつきを持つため、研究において非常に重要視されます。一次資料は、研究対象となる出来事や歴史的状況と研究者を直接結びつける役割を持ち、記録者だけがその間に存在するという点で、非常に貴重な情報源です。一方で、二次資料（secondary source）は、歴史的な出来事や経験に関する二次的、三次的な説明を指し、例えば、教科書や参考書、新聞記事などが該当します。これらは直接出来事に関与していない人物が一次資料を基に要約や解釈を加えたものであり、出来事そのものの論考を提供します。二次資料には、当時の新聞記事などのように歴史的に近いものもあれば、過去の出来事を現代の視点から解釈したものも含まれます。歴史的研究では、可能な限り一次資料を使用することが推奨されますが、必ずしもそれが可能であるとは限りません。時間が経つにつれて、一次資料は散逸しやすく、また複製や再発見が難しいため、信頼性や客観性、包括性が損なわれる傾向があります。こうした場合、二次資料を利用することも一つの選択肢となります。特に二次資料の脚注や参考文献は、一次資料に関する重要な手がかりを提供する場合が多く、研究者が注意を払うべき要素のひとつです。二次資料を精読し、そこに示された一次資料の情報を追跡することで、新たな発見や解釈の道が開けることもあります。歴史研究においてデータの正確さや信頼性を保つためには、このような多様な資料を統合的に活用し、慎重に分析することが求められるのです。