理論構築の統合の研究例【統計解析講義応用】

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理論構築の統合の研究例|【統計学・統計解析講義応用】

理論構築の統合の研究例【統計解析講義応用】


目次  理論構築の統合の研究例【統計解析講義応用】

 

 

理論構築の統合の研究例

 

コネリー,ポット,ホップアート,タウントンは,スタッフ・ナースの定着に焦点をあてたマルチメソッド・リサーチ・プロジェクトを実施した.

 

彼らの研究は,主に量的研究であり,ナースの定着率を予測するためにデザインした高度な統計モデルの開発を含んでいた.

 

研究者たちは,定着率を予測できると考えた4種類の因子を測定した.

 

つまり,管理責任者の特徴(例:リーダーシップのスタイル),組織の特徴(例:昇進の機会),仕事の特徴(例:グループの結束性),そしてナース自身の特徴(例:教育,婚姻状態)である.

 

モデルにおける変数は,すべて研究文献で妥当性を検証されていたが,こうした変数の累積予測力は比較的に低かった.

 

プロジェクトの最後の年に,研究者たちは,異なる研究方法によって,定着モデルに属するような別の構成概念が生みだされるかどうかを確かめるために,質的研究を行った.

 

プロジェクトの最初の年に実施した,「とどまる意向」尺度(“Intent to Stay” scale)で低い得点でありながらも同じ病院で働き続けているという,全部で21人のスタッフ・ナースに対して,とどまっている理由,辞める理由として考えられるもの,雇用の肯定的側面と否定的側面について,徹底的な面接を実施した.

 

研究者たちは,徹底的な面接によって得た情報と,彼らのモデルに含まれている変数とのあいだに,いくらかの一致がみられることを見いだし,それによりモデルの諸側面の妥当性を検証した.

 

しかし,質的面接をとおして,新たなテーマも浮かび上がってきた.

 

たとえば,家庭に近い場所,福利厚生手当,質の高いケアを提供する能力,また,病院内の病棟を異動できること,といった変数である.

 

 

マルチメソッド・デザインをもちいた利点については,以下のように説明した.

 

トライアンギュレーションは,われわれが3つの利点を手に入れるのに役立った.

 

1つ目は,量的データと質的データを慎重に比較することにより,定着モデルにおける変数への支持が強化されたこと.2つ目に,この比較により,ナースの定着について新たな側面も明らかになり,それによって,ナースの定着についてさらに十分に理解するのに貢献したこと…3つ目には,研究者たちが,量的測定用具の見直しを提言できるようになったことである.

 

・マルチメソッド・リサーチ(またはミックス・メソッド・リサーチ)は,単一のプロジェクトにおいて質的データと量的データを融合し,看護実践のためのエビデンス基盤を開発するのに有利である.

 

・有利な点は以下のとおりである.

 

@この2つの方法は,相補的な長所と短所をもつ.

 

A統合した方法によって,現実の多元的な性質について,理論的で実質的な洞察を導くことができる.

 

Bマルチメソッド・リサーチにより,単一の方法をもちいた研究で得た知識を,さらに漸進させるフィードパックリレープを実現できる.

 

C複数の種類のデータによって仮説を裏づけることで,研究の妥当性を強化できる.

 

D分析結果が矛盾していた場合,不一致について慎重な精査を行い,さらに一連の探究の方略を押し進めることができよう.

 

・看護において,マルチメソッド・リサーチがもっともよくもちいられる状況の1つは,測定用具の開発と精錬の領域においてである.

 

・定量化された記述の意味または関係性について,実例を示し,明確化し,拡大するために,質的データをもちいることもある.

 

・マルチメソッド・リサーチは,構成概念を解明したり,関係性や因果プロセスを解釈し明らかにする助けとなる.

 

仮説を生成し,検証するためにももちいることもできる.

 

・統合した方法をもっとも意欲的に適用しているのは,理論開発の領域においてである.

 

・コンポーネント・デザイン(構成要素デザイン)を備えたマルチメソッドによる研究では,研究の質的側面と最的側面を別々の構成要素として実施し,データ収集と分析においても区別する.

 

コンポーネント・デザインには,トライアンギュレーションによるデザイン,相補的デザイン,そして拡大デザインがある.

 

・2つ目の大きなカテゴリーは統合デザインであり,研究プロセス全体を通じて,複数の方法をさらに幅広く統合する.

 

4種の主な統合デザインには,反復デザイン,組み込みデザイン(または入れ子式デザイン),ホリスティック・デザイン,そして変形デザインがある.

 

 

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