過去から探る!後ろ向きデザインで解明する因果関係【ChatGPT統計解析】

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過去から探る!後ろ向きデザインで解明する因果関係【ChatGPT統計解析】

過去から探る!後ろ向きデザインで解明する因果関係【ChatGPT統計解析】
後ろ向きデザインによる研究は、現在の現象を過去の事象と関連付けるもので、研究者は現在のアウトカムに影響を及ぼした原因を探ります。喫煙と肺がんの関係を調べた初期の疫学的研究がその例で、肺がん罹患者と非罹患者を比較して先行要因の違いを検証します。後ろ向き研究は横断的な場合が多く、ケース・コントロールデザインを用いることもあります。ここではケース(病気罹患者)とコントロール(非罹患者)の比較が行われ、外生変数を統制して原因への曝露の違いを特定します。他にも、感受性訓練や栄養補給方法、看護スタッフとの交流頻度を調査する例が挙げられ、それぞれに適したデザインや変数の設定方法が提案されています。

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目次  過去から探る!後ろ向きデザインで解明する因果関係【ChatGPT統計解析】

 

 

後ろ向きデザイン

 

後ろ向きデザイン(retrospective design ; 回顧的デザイン)による研究(後ろ向き研究,回顧的研究)は,現在,存在している現象が,研究が着手される以前に,過去に起きた現象と関連している場合の研究である.

 

つまり,研究者は現在のアウトカムに関心があり,それの原因となった先行因子をみきわめようとする.

 

喫煙と肺がんの関係についての,初期の疫学的研究の大部分は後ろ向きである.

 

こうした研究では,研究者は肺がん(従属変数)に罹患した人々,および肺がんに罹患していない人の集団から着手する.

 

次に,研究者は先行行動または先行条件における,2群間の差を探す.

 

後ろ向き研究は横断的な場合が多く,従属変数と独立変数の両者のデータを,1度に同時に収集する.

 

研究者は,あるステップをとることで,後ろ向きデザインを強化できることがある.

 

たとえば,後ろ向きデザインの1つに,ケース・コントロールデザイン(case-control design)というものがあり,ケース(case)(肺がんの犠牲者のように,ある病気や条件をもつ対象)とコントロール(たとえば,肺がんでない人々)の比較を行う.

 

強固なケース・コントロール研究を行う場合,研究者はケースを見つけ,それらから(または,記録が手に入る場合はそれらについて)推定される原因のヒストリーについての情報を手に入れる.

 

そして,研究者はコントロールを見つけなくてはならない.

 

コントロールには,当該の疾患や条件はないが,主要な外生変数(例:年齢,性別)についてはケースに可能なかぎり類似している.

 

そしてまた,推定される原因についてのヒストリー情報を手に入れなくてはならない.

 

コントロールがうまく選択された場合,コントロールとケースとの唯一の差は,推定される原因への曝露である.

 

研究者は,外生変数をコントロールするために,マッチング(matching)やその他の技法を使う場合がある.

 

外生的な特性に関して,研究者がケースとコントロールのあいだで比較可能性を示せる程度に応じて,疾患の仮定的な原因に関する推論は強化される.

 

後ろ向き研究の例

 

ハイトケムパー.ジャレット,テイラー,ウォーカー,ランデンバーガー,ボンド〔Heitkemper, Jarrett, Taylor,Walker, Landenburger, & Bond, 2001〕は,後ろ向きデザ
インをもちいて,過敏性腸症候群(IBS)の発症の誘因についての研究である.

 

 

次に,同じ問題を研究する縦断的研究をデザインしよう.それぞれの方法の問題点と長所を特定しよう.

 

1.研究者が,危機介入状況におけるナースの行動に対する感受性訓練の影響を研究しようとしている.これについて研究するために,どのように実験を設定するかを説明しよう.また,同じ問題を研究するのに利用できる準実験デザインまたは前実験デザインを2つ説明してみよう.それぞれにはどのような弱点があるかを検討しよう.

 

2.これからあなたが行う実験に,10名(Z, Y,X, W, V, U, T, S, R, Q)が参加することになったとしよう.乱数表を使って,5人をグループIに,残りの5人をグループnに割り付けよう.そして,それらのグループを実験群とコントロール群に,無作為に割り付けよう.

 

3.嚥下障害の患者の栄養補給に有効ないくつかの方法を,看護研究者が研究したいと思っている.研究者は,この問題を検討するのに,相関的デザインを使えるだろうか.使えるとしたら,または使えないとしたらそれはなぜか.
 実験的方法または準実験的方法が使えるだろうか.使えるとしたらどのようにもちいるのだろうか.

 

4.入院している子どもの経済的に不利な立場の程度と,その子どもが看護スタッフに話しかける頻度と内容との関係を,看護研究者が調べようと計画している.どちらが独立変数で,どちらが従属変数か.この研究は,基本的に,実験的方法に分類できるか,または相関的方法か,それとも両者の方法を利用できるか.

 

次に,同じ問題を研究する縦断的研究をデザインしよう.それぞれの方法の問題点と長所を特定しよう.

 

1.研究者が,危機介入状況におけるナースの行動に対する感受性訓練の影響を研究しようとしている.これについて研究するために,どのように実験を設定するかを説明しよう.また,同じ問題を研究するのに利用できる準実験デザインまたは前実験デザインを2つ説明してみよう.それぞれにはどのような弱点があるかを検討しよう.
2.これからあなたが行う実験に,10名(Z, Y,X, W, V, U, T, S, R, Q)が参加することになったとしよう.乱数表を使って,5人をグループIに,残りの5人をグループnに割り付けよう.そして,それらのグループを実験群とコントロール群に,無作為に割り付けよう.

 

3.嚥下障害の患者の栄養補給に有効ないくつかの方法を,看護研究者が研究したいと思っている.研究者は,この問題を検討するのに,相関的デザインを使えるだろうか.使えるとしたら,または使えないとしたらそれはなぜか.実験的方法または準実験的方法が使えるだろうか.使えるとしたらどのようにもちいるのだろうか.

 

4.入院している子どもの経済的に不利な立場の程度と,その子どもが看護スタッフに話しかける頻度と内容との関係を,看護研究者が調べようと計画している.どちらが独立変数で,どちらが従属変数か.この研究は,基本的に,実験的方法に分類できるか,または相関的方法か,それとも両者の方法を利用できるか.
IBSでない女性の標本について,性的および身体的虐待歴という点で比較し. IBSである女性には,虐待経験がより多いことがわかった.

 

 

後ろ向きデザイン(回顧的デザイン、retrospective design)を用いた研究は、現在存在する現象が研究開始以前の過去の出来事と関連している場合に有効なアプローチです。これは主に疫学や臨床研究において使用され、特定のアウトカムがどのような原因によって生じたのかを遡って検証します。研究者は現在観測されているアウトカム、たとえば病気の発生や行動の変化などに着目し、その原因と考えられる先行要因を明らかにするために過去のデータを収集・分析します。後ろ向き研究の特徴として、対象者の過去の状況や行動に基づいてアウトカムの原因を推定するため、コストが比較的低く、比較的短期間で行うことが可能です。そのため、大規模なデータベースを使用した観察研究や、電子カルテデータに基づく研究で広く採用されています。喫煙と肺がんの関連についての初期の疫学的研究の多くは後ろ向きデザインを使用しており、研究者は肺がんに罹患した患者(従属変数)と罹患していない集団とを比較し、喫煙のような先行行動が発症にどのような影響を与えたかを調べました。このように、後ろ向きデザインは、従属変数と独立変数がすでに確定している状況において、両者の関連を明らかにするために適しています。通常、後ろ向きデザインを強化するために、研究者はケース・コントロールデザイン(case-control design)という手法を使用することがあります。これは、特定の条件や疾患を持つ「ケース」(例:肺がん罹患者)と、それらの条件や疾患を持たない「コントロール」(例:肺がんに罹患していない人々)を比較することで、要因の差異を明確化する方法です。ケース・コントロールデザインでは、コントロールグループはケースと年齢や性別などの主要な外生変数において、できるだけ類似した属性を持つように選択されます。こうすることで、結果に影響を与える要因としての推定原因が、ケース群とコントロール群との唯一の違いになるようにします。ケース・コントロール研究の設計では、場合によってはマッチングと呼ばれる方法を使用し、年齢や性別などの外生変数を統制することで、特定の変数に関連するバイアスを減らし、仮定された因果関係の妥当性を高めることが可能です。後ろ向きデザインを用いた研究の一例として、Heitkemperらによる過敏性腸症候群(IBS)の研究があります。彼らは、IBSの発症に影響を与える要因として、性的・身体的虐待の経験が関与している可能性を調べ、IBSを持つ女性と持たない女性の間で過去の虐待経験を比較した結果、IBSを持つ女性には虐待経験が多い傾向が見られました。このような後ろ向き研究では、既存のデータに基づいて仮説を立てることができるため、倫理的に直接的な介入が困難なテーマを取り扱う際に役立ちます。しかし、後ろ向きデザインにはいくつかの限界もあります。例えば、被験者の記憶に基づくデータ収集が多くなるため、記憶の曖昧さや報告バイアスが結果に影響を与えるリスクがあります。また、観察された関連性が必ずしも因果関係を示すとは限らないため、結果を解釈する際には慎重さが求められます。次に、同じ問題を異なる視点から検証するために、縦断的デザインの研究も考慮されることがあります。縦断的デザインでは、同一の対象を一定期間にわたって追跡し、変化や進展を記録することで因果関係をより直接的に検証することが可能です。これにより、時間の経過による因果関係の方向性を特定することができ、後ろ向きデザインの制約を補うことができます。たとえば、危機介入状況におけるナースの行動に対する感受性訓練の効果を検証する場合、後ろ向きデザインでは過去の感受性訓練の履歴と現在のナースの行動を比較することになりますが、縦断的デザインを用いることで、訓練の影響を受けたナースがどのような行動変化を示すかを時間軸に沿って追跡することが可能です。こうした比較によって、訓練の効果やその持続性を詳細に評価することができます。また、感受性訓練の影響を評価する際に準実験デザインや前実験デザインも使用されることがありますが、これらには一定の限界があります。準実験デザインでは、統制群と実験群を完全にランダムに割り当てることができないため、結果にバイアスが含まれる可能性がある一方で、前実験デザインでは対照群が存在しないため、外的要因の影響を除外することが難しくなります。さらに、10名の被験者が参加する実験では、乱数表を使用して被験者を2つのグループに分け、実験群とコントロール群に無作為に割り当てることが重要です。これにより、外的要因が影響する可能性を最小限に抑え、各群の比較可能性を確保できます。嚥下障害の患者における栄養補給方法の有効性を検証する場合には、相関的デザインを用いることも考えられますが、因果関係を明確にするためには実験デザインや準実験デザインが適しています。相関的デザインは、異なる変数間の関連を調査するのに適しているものの、原因と結果の方向性を特定することが難しいため、栄養補給方法が嚥下障害に直接的な影響を与えるかどうかを確認するには限界があります。また、入院している子どもの経済的に不利な立場が看護スタッフとの交流に与える影響を調査する際には、経済的な立場を独立変数、交流頻度と内容を従属変数とすることで、相関的デザインによって両者の関連性を明らかにすることができます。

 

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