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統計学における価格指数と品質変化【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

統計学における価格指数と品質変化【統計解析講義基礎】

統計学における価格指数と品質変化【統計解析講義基礎】


統計学における価格指数と品質変化【統計解析講義基礎】

 

電気製品を中心として、最近は品質改良の速度が速まってきています。

 

カラーテレビやパーソナルコンピューターなどは、10年前の製品と比較してはるかに性能が高くなっていますし、デジタルカメラなどの新製品も市場に多数登場しています。

 

品質変化や新製品は、最近の価格指数において重要な課題となっています。

 

例として、従来の製品Aに加えて、改良された製品Bが市場に登場した場合を考えてみましょう。

 

しばらくの間、両方の製品が市場に流通する場合には、品質変化の効果は比較的容易に評価することができます。

 

表のように新製品が1時点で登場した場合、新旧製品の価格比g=110/105は製品間の品質の違いを表す尺度と考えられます。

 

その後、売れ筋が新製品に移り、2時点では旧製品は市場から姿を消したとしても、この製品の価格指数は新製品の価格によって継続的に評価することができます。

 

具体的には上記の価格比すなわち性能比gを用いて、0時点を基準とした2時点の価格指数を。P02=(115/102)÷gとして求めます。

 

これは(105/102)×(115/110)に等しくなります。

 

3時点以降の価格指数も、基準時点の旧製品価格PA0(=102)を用いて(pBt/pA0)÷gとして新製品の価格pBtから作成できます。

 

これは連鎖指数とよばれる式の特別な場合です。

 

0時点を基準とした1時点の価格指数をP01と表し、1時点を基準とした2時点の価格指数をP12と表すと、P02=P01×P12と基準時点を変化させた二つの指数の積となり、時点1で基準を変更したのと同じ意味になります。

 

以上のような手法を採用すれば、高価な新製品が短い期間に従来製品と同程度の価格になると、価格指数は品質変化を反映して値下がりと評価されることになります。

 

実際の電気製品によくみられるように、これは多くの消費者の実感とも一致しています。

 

一般に、新旧製品の性能比の適切な尺度gがあれば品質変化の処理ができるが、パーソナルコンピューターなどの一部の製品では、新製品が登場すると極めて短時間で旧製品が市場から姿を消し、また販売されている価格も大幅な値崩れを起こすために、信頼できる性能比gが得られません。

 

そのような場合に比較的容易に適用できる、ヘドニック指数とよばれる手法があります。

 

品質変化に対応するその他の方法として、食料品缶詰の重量が変化した場合に重量比をgとするものや、日本銀行の作成する企業物価指数で部分的に採用されているコスト評価法などがあります。

 

この方法は、企業の製造費用を確認し、新旧両製品の費用の比を品質の比とみなすものです。

 

価格指数の偏りとラスパイレス指数

 

消費者物価指数で用いられているラスパイレス指数は、加重平均に用いられるウェイトが基準時点の購入額に依存しているため、比較時点が基準時点から離れるにしたがって価格上昇を過大評価する傾向があるといわれています。

 

表の簡単な例で考えてみましょう。

 

基準時点の購入数量を比較時点に購入した場合の金額比を評価するラスパレイス式では、

 

PL=(200×80+190×40)/(120×80+160×40)×100=147.5

 

となります。

 

しかしA財はB財よりも値上がりが大きいため、消費者はA財の購入量を減らし、B財の購入量を増やすことによって、生活水準を下げることなく支出額を軽減できます。

 

比較時点でも基準時点と同じ数量を購入するラスパイレス式は、消費者のこのように合理的な行動を制限しています。

 

したがって、ラスパイレス価格指数は過大になります。

 

経済学では、消費者の満足を表す効用という概念を用います。

 

同一の効用水準を達成するために必要な支出金額を基準時点と価格時点で評価し、その比を真の物価指数と定義すると、ラスパイレス式は真の指数より大きいことが示されます。

 

一方、比較時点の購入数量を固定した金額比を評価するパーシェ指数では、基準時点において割高なB財のウェイトが高くなるため、真の指数よりも低くなることが示されます。

 

表の例ではパーシェ式は、

 

Pp=(200×50+190×60)/(120×50+160×60)×100=137.2

 

となり、確かにラスパイレス式より小さくなります。

 

常識的には、真の指数はラスパイレス指数とパーシェ指数の中間にあると考えられます。

 

実際の価格指数でもラスパイレス指数と並んでパーシェ指数が試算されることが多いですが、そのほとんどの場合には、ラスパイレス指数とパーシェ指数の差が小さいときには、公表される指数は実態を表していると考えます。

 

例えば、最も価格上変化の激しかった石油危機の5年間でも消費者物価指数の相対誤差率(PL−Pp)/PLは3.27%と比較的小さいという結果でした。

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