Python・R・エクセルによるデータサイエンス | 統計解析講義

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】


数量指数の統計学【統計解析講義基礎】

 

鉱工業生産指数などの数量指数も、その基本的な考え方は価格指数と大きく変わりません。

 

ここでは製造業の生産量を念頭に置いて考えます。

 

基準時点をt=0、比較時点を一般にtとして、第i品目のt時点の数量をqtiとするとき、第i品目の数量指数はqti/q0iと表されます。

 

これから、第i品目にウェイトwiを用いた加重平均指数Σwi(qti/q0i)÷Σwiを計算することができます。

 

ここでΣは「和をとること」を意味しています。実際のウェイトとしては各品目の生産額がよく用いられます。

 

数量指数において、2つの時点で生産された財の価値を共通の価格で評価し、それぞれの合計金額の比を考えると、第i財の価格をpiとして、

 

Σpiqti/Σpiq0i

 

という金額比指数が得られます。

 

ここでpiに何を選ぶかによって評価の基準が異なりますが、基準時点の価格p0iを用いて、

 

QL(t)=Σp0qti/Σp0iq0i

 

としたものをラスパイレス数量指数、比較時点の価格ptiを用いてQP(t)=Σptiqti/Σptiq0iとしたものをパーシェ数量指数と呼びます。

 

価格指数の場合と同じように、金額比指数は経済的な内容の裏づけを持っているので、理解しやすいといえます。

 

フィッシャー数量指数も、価格指数と同じくQLとQPの幾何平均として、

 

QF(t)=√QL(t)QP(t)

 

と定義されます。

 

2つの時点における生産額の比を表す金額指数はM(t)=Σptiqti/Σp0iq0iと表されますが、金額は数量と価格の両方によって定められることから、価格指数P(t)と数量指数Q(t)を求めるときには、M(t)=P(t)Q(t)という関係が成り立つことが望ましいといえます。

 

生産額ではなく家計の消費額で考えるときは、生計費指数M(t)を物価指数P(t)と消費水準指数Q(t)に分離できるということになります。

 

この関係は金額条件とよばれ、指数の満たすべき望ましい条件とされますが、ラスパイレス指数ではPL(t)QL(t)=M(t)は成り立ちません。

 

パーシェ指数もこの条件を満たしませんが、これらの指数を組み合わせると、M(t)=PL(t)QP(t)=Pp(t)QL(t)が成立することが容易に確かめられます。

 

以上のことから、金額条件を要求するのであれば、価格指数にラスパイレス式を採用したときには、数量指数としてはパーシェ式が選ばれることになります。

 

このようにして定められる指数を暗黙の指数(implicit index)とよびます。

 

逆に数量指数Q(t)を先に定めたときには、金額条件を満たす価格指数はP(t)=M(t)/Q(t)で与えられます。

 

これをインプリシット・デフレータとよびます。実際、国民経済計算における物価指数すなわちGDPデフレータは、名目GDPを実質GDPで割って事後的に求められるものです。
フィッシャー指数は、形式的に同一の指数が金額条件M(t)=PF(t)QF(t)を満たす例として知られています。

 

フィッシャー指数はラスパイレス指数やパーシェ指数のような金額比としての意味を持たないため、それほど多くは利用されてきませんでしたが、最近になって、消費者物価指数でその重要性が改めて認められてきています。

 

数量指数の代表的な例

 

鉱工業生産指数(Index of Industrial Production, IIP)は経済産業省が毎月公表している代表的な数量指数です。

 

最近では鉱業の比率は0.16%と非常に小さいため、実質的に製造業事業所における生産、出荷、在庫を体系的にとらえたものといえます。

 

この指数は業種別や財別にも集計され、業種別の生産活動を把握するとともに、最終需要財や生産財として使用される財の働きを知ることができます。

 

IIPで用いられる算式はラスパイレス指数であり、ウェイトとしては基準時点である1年間における生産額を用いた指数と、付加価値額を用いた指数の2種類が作成されています。

 

生産数量は各産業で出荷額の8割程度を捕捉できるように、比較的規模の大きい製造業事業所を中心に調査しています。

 

速報性から、景気動向を見る上でも重要な統計です。

 

図は最近の製造業の動向を示したものです。

 

ここに掲げたグラフは季節変動を除去していない原系列であり、とくに自動車などの輸送機械工業では季節的な変動が明瞭に現れています。

 

1998年以降の変化を見ただけでも、日本の高度成長を支えた鉄鋼業は最近はほぼ横ばいであるのに対して、情報産業を支える電子部品・デバイス工業の伸びが著しいことがわかります。

セミナー詳細こちら                    解析ご相談こちら


 

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】

数量指数の統計学【統計解析講義基礎】