有効性のモニタリング【統計解析講義応用】

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有効性のモニタリング|【統計学・統計解析講義応用】

有効性のモニタリング【統計解析講義応用】


目次  有効性のモニタリング【統計解析講義応用】

 

 

有効性のモニタリング

 

Pocockの(1977)モニタリング法は,間隔を等しく設定したそれぞれの解析時点で(p値という意味において)同じレベルのエビデンスを使用する.

 

例えば,両側α= 0.05の検定で,5回の均等な問隔で計画された解析のいずれにおいても,結果が有意であると宣言するためのp値は0.0158であることが要求される.

 

厄介な点は,この方法は最後の解析においてもそのエビデンスに厳格なレベルを要求することである.

 

これは中間モニタリングを行うことに支払う大きなペナルティであり.同じ5回の解析の最後で0.05-4×(0.001)= 0.046を用いるHaybittle・Peto法と極めて対照的である.
Pocock法のこの短所については,後にPocock自身がこの手順に反する提唱をすることになるが,それでもPocockの基準は,安全性のモニタリングの目的に時々用いられることがある.

 

なぜなら,安全性にかかるシグナルはしばしば早期に見受けられることがあり,我々はその時に被害が生じる前に中止を判断できるようにするための境界値を極度に高く設定したいとは考えないからである.

 

有効性のモニタリングに関して. Pocock法よりもさらによく用いられるのがOBrienとFlemingの方法である.

 

Pocockの基準と同じように,この方法では解析時点の間隔を等しくする必要がある.

 

Pocock法と異なるのは,とても早い段階での中止については非常に強いエビデンスが必要だが,最終時点の解析で求められるエビデンスのレベルは中間モニタリングを行わない場合と近いものとなる点である.

 

HWの母子感染8の抑止について検討したACTG 076試験では, OBrien-Flemingの基準が用いられている.

 

PocockとOBrien-Flemingの基準では,何回の中間解析を実施するかを事前に決定する必要があり,そしてその解析の間隔は等しくなければならない.

 

DSMBはより柔軟性の高い方法を好む.

 

DSMB委員の予測不可能なスケジュールは,解析時点を等間隔に設定することへの妨げとなり,加えて委員会は試験が開始された後に解析の回数を変更したいと考えることがあるかもしれない.

 

 

LanとDeMets (1983)は,解析の回数と時期の変更に容易に適応する1つの方法を提案した.

 

それは情報分数(information fraction) という試験が完了している割合を表す尺度に基づいた方法で,ここでX=0は試験の開始を. t= 1は試験の終了時点を表す.
結果が連続値または二値変数で観測される試験では,fはそれまでに評価された患者の数の試験の終わりまでに評価される数に対する比率である.

 

もし全体で200例の患者を観察することを計画した試験で50例が中間解析時点で主要な結果の観測を受けている場合,その時のXはf= 50/200 = 0.25となる.

 

生存期間を評価する試験では,1はそれまでに評価された患者の数を,試験の終わりまでにイベントを発生する患者の数で除した値である.

 

つまり.終わりまでに100例の死亡を観察することを計画したある試験で40例の死亡があった時,1は* = 40/100 = 0.40である.

 

この方法では試験を開始する前に,いかなる時点で中間解析を行う時にも,単に最新の情報分数fを推定してコンピュータプログラムにより累積過誤率α*(X)を実現する基準を決定する.

 

基準値が持つ特性は,選択した消費関数に依存する.最もよく使われるのは試験の初期の段階では非常に小さいαを使い.試験の終わり近くで急速に残りを消費するものである.

 

中間解析の間隔を情報分数において等しくすれば,そのような消費関数はOBrien-Flemingの方法に非常に近い基準を生成する.

 

Pocockの方法と似た基準を生成する別の消費関数では,初期の段階でOBrien-Fleming型の関数よりも多くのαを消費する.

 

この関数は有効性のモニタリングに用いることを避けるべきであるが,安全性のモニタリングでの使用は適切である場合がある.

 

試験に最適な消費関数を選択するためには,分担研究者は統計家と話し合うことが大切である.

 

厳密に言えば,消費関数を用いるのアプローチは,中間解析の回数をデータの傾向に基づいて変更すること(例えば.ある結果が境界に近づいているのでさらに頻繁にモニタリングを行うなど)を許容するものではない.

 

それでも,他の著者らは,もしデータの傾向を見た後にモニタリングの回数を変更したとしても一般によく用いられる消費関数は良い特性を維持していることを示している.

 

その柔軟性の高さから,消費関数はCAST試験(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial) を含む多くの重要な試験で使用されている.

 

 

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