統計学的コントロールの例【統計解析講義応用】

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統計学的コントロールの例|【統計学・統計解析講義応用】

統計学的コントロールの例【統計解析講義応用】


目次  統計学的コントロールの例【統計解析講義応用】

 

 

統計学的コントロールの例

 

ムーアとドランスキー〔Moore & Dolansky, 2001〕は.事前事後テスト実験デザインをもちいて,冠状動脈バイパス移植(CABG)術をした患者への録音テープによる介入の効果を検証した.

 

患者の処理群は,病院で,CABG患者の典型的な回復体験を説明するメッセージを録音したテープをもらい,自宅に持ち帰った.

 

コントロール群の患者には,通常の退院の指示が与えられた.

 

身体的機能と精神的苦痛への処理の効果を分析する際に,年齢,併存疾患,手術前の心機能状態など,アウトカムのベースライン測定を統計学的にコントロールした.

 

さらに,研究者は,男性と女性を分けて分析した.このようにして,無作為化,統計学的コントロール、ブロック化をもちい,外生変数をコントロールした.

 

コントロールが必要な外生変数は,研究によって違うが,それでもなんらかの指針を提示できる.

 

最良の変数は,独立変数を持ち込む前に測定された従属変数そのものである.

 

主要な人口統計学的変数(年齢,人種/民族,性別,教育,収入,婚姻状態)も,測定しコントロールするにはよい候補である.

 

なぜならば,これらの変数は,(研究にこころよく参加したり,残って続けることと同じくらいに)多くの看護のアウトカムと相関するためである.

 

従属変数が生物生理学的であれば,健康状態の測定,薬物療法,入院歴などは重要であろう.

 

研究問題に特有の外生変数は,研究文献のレビューをとおして明らかにしたほうがよい,

 

 

コントロール方法の評価

 

外生変数を操作するには,対象をグループに無作為割り付けする方法がもっとも効果的である.

 

無作為化は,あらゆる外生変数における個別差を相殺する傾向にあるからである.

 

クロスオーバー・デザインも,無作為化を補うのにきわめて有効であるが,ほとんどの看護研究の問題には適用できない.

 

その他の代替方法である等質性,ブロック化,マッチング,

 

共分散分析には,共通して1つの短所がみられる.

 

すなわち,関連する外生変数を,研究者が事前に知っているかまたは予測できなければならないということである.

 

等質な標本を選んだり,ブロック化したり,マッチングしたり,または共分散分析を行うためには,研究者は,どの変数を測定しコントロールすべきかを知らなければならない.

 

この制約によって,コントロールできる範囲が制限されるかもしれない.

 

なぜならば,研究者は,統計学的コントロールの場合を除いて,1度に2つないし3つ以上の外生変数をあつかうことは,明らかにほとんど不可能なためである.

 

対象の外生的な特性をコントロールするための理想的方法は無作為化であると,繰り返し述べてきたが,無作為化をいつも使えるわけではないことは明白である.たとえば,独立変数を操作できない場合には,他の技法をもちいなければならない.

 

相関研究や準実験研究では,研究者が利用できるコントロール方法は,等質性,ブロック化,マッチング,共分散分析である.

 

量的研究では,対象に固有の外生変数のコントロールは,ここで検討したどのコントロール方法であっても,使わないよりは使うほうが望ましい.

 

これらの方法は,互いに排他的な関係にはないため,可能であればいつでも,複数の方法を使うほうがよい(ムーアとドランスキーの研究でのように),たとえば,コントロールの統計学的手法は,ブロック化やマッチングとあわせて使うことができる.

 

無作為化をもちいたときでも,共分散分析をもちいると,デザインの正確さは増す.

 

 

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