緩和医療(ケア)の役割【統計解析講義応用】

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緩和医療(ケア)の役割|【統計学・統計解析講義応用】

緩和医療(ケア)の役割【統計解析講義応用】


目次  緩和医療(ケア)の役割【統計解析講義応用】

 

 

緩和医療(ケア)の役割

 

過去には,「緩和ケア」は,主に生命の終わりに患者に提供される医療と考えられていた.

 

現代では, WHOによって定義されるように,大部分の医療実践者がこの分野をみる.

 

すなわち.緩和ケアは,痛みや症状からの開放,生命の終わりまでの診断と死別反応に対する精神的,心理社会的サポートによって,生命を脅かす疾患に直面している患者とその家族の生活の質を高める.

 

緩和,すなわち身体的,精神的症状の軽減は,医療の重要な要素であり.臨床治療試験での治療の過程で対処されるべきで,開始から終了まで計画されるべきものである.

 

症状管理が試験参加者のためのケアの重要な一部分と見なされてきたが,真の緩和医療を提供することには,より大きな領域がある.

 

患者の心理社会的,および精神的なニーズに配慮することは,有意で重要なことである.

 

2001年に米国医学研究所(Institute of Medicine, IOM)が発行した『Improving Palliative Care for Cancer (がん緩和ケアの改善)」と題する報告書は,明らかに患者や家族の情動的,精神的,実用的なニーズに対してもっと目を向けるように推奨している.

 

臨床試験において,一部の患者は,自分が経験しているかもしれない副作用について不満を言うことに極度に消極的であることを理解しておくことは重要である.

 

治療されている疾患から医師や他の医療提供者の気持ちがそれるのを嫌がること,副作用があるということは疾患が進行している証拠ではないかという恐れ,副作用を訴えることが臨床試験から離れる(中止される)ように要求される可能性の確率を高くするのではないかという恐怖を含めて,多くの考えられる動機がある.

 

これらの患者の不安は,医療チームにとってはよく理解できないかもしれないが,治療試験が,病気が治って生きながらえる最善の方法であると考えて参加している人の立場に立ってみると理解できるかも知れない.

 

このような患者の不安にどのように対処できるだろうか.

 

副作用が予想されること,副作用は必ずしも病気悪化の徴候ではないこと,副作用があっても臨床試験参加には問題がないこと,について,イニシアティブをとって,何度も繰り返し,説明するのが最善の方法である.

 

臨床試験についての患者に渡す資料も,この点を強調しなければならない.

 

少なくとも副作用が普通にみられる治療試験に参加している患者に対して,臨床試験の進行を通した各々の患者との定期的で詳細な面談をすることによって,患者がどのように対処しているかの実態に関して「絞り込んで」いくことができる.

 

 

悪い知らせの伝え方

 

時には,臨床試験中の患者の治療状況によっては,継続参加が不可能となる場合がある.

 

治療が奏効しない,重度で消耗性の副作用が出現している,患者が治療要件に応じない,などいくつかの明確な明示が含まれる.

 

原因が何であろうと,臨床試験が継続できないと聞かされることは,患者にとってショックである.

 

どのような方法によっても,悪い知らせのショックを和らげたり,とりつくろうことはできないだろうが.患者の助けになる方法がある.

 

・悪い知らせを伝える際には,適切な場所で十分な時間を割くこと.すなわち,忙しい診療時間の最中に廊下の立ち話で伝えたりはしないこと.特別の場所と時間を用意して,本人や家族が質問でき,できる限りの情報を知りうるようにすることが必要である.できれば,PIはこの面談(会話)の責任をとらなければならない.

 

・可能な限り,患者が1人で(帰るのでは)ないことを確認する.1人で長い道のりを帰宅しなければならない患者にとって,悪い知らせに対処することは非常に困難な場合がある.介護者が通常患者に付き添っていない場合には,必要に応じて電話連絡し,介護者にも面談に同席するように依頼する.

 

・「これ以上手の施しようがありません」など,絶望や見捨てられ感を助長するような言葉を避けること.この試験に関しては「これ以上方策がない」ことが真実であったとしても,この試験に参加したことによって,他の治療選択肢があるかもしれない.

 

仮にこれ以上治療の可能性がないとしても,ホスピスなど重要な選択肢があり,必要があれば提示するべきである.

 

理想的には,患者との面談前に,患者のかかりつけ医に試験参加終了の必要性について伝えておくことが望ましい.

 

そして,かかりつけ医に既に伝えてあることを患者にも知らせ,かかりつけ医により次のステップを支援する準備ができていることを患者に伝える必要がある.

 

・支持療法(supportive care)を用意する.患者が現在の状況に対処し,次のステップに対処するためには援助,支援や情報が必要であることを考えて,心理カウンセラー,ソーシャルワーカーや精神的なカウンセラーなど,相談できるスタッフを備えておく必要がある.患者が支援や情報をあちこち探し回る必要がないように,必要な情報を準備しておく.

 

・後になっても患者と連絡が取れるようにしておく.悪い知らせに直面した患者が,その場で頭に浮かぶ質問をすべて訊ねることはできない.PIや患者や家族と接触があった他のスタッフは,双方に便利な方法でさらに連絡できるようにしておく.

 

 

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