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価格指数の統計学【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

価格指数の統計学【統計解析講義基礎】

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価格指数の統計学【統計解析講義基礎】

 

異なった時点間または地域間における価格水準を比較する場合には、指数が広く利用されています。

 

一般に、多数の同種のデータを比較するのに、ある値を基準にして他の値を基準値に対する比で表したものを指数(index number)とよびます。

 

価格指数はその代表的なものです。

 

現在、最も広く利用されている指数の計算方法は固定ウェイト方式とよばれるもので、わが国の消費者物価指数や企業物価指数も基本的にはこの方式で計算されています。

 

その基本的な考え方を消費者物価指数を念頭におきながら説明すれば、次のとおりになります。

 

まず、個々の品目に関する価格調査が前提です。

 

すべての商店や営業所での価格調査は現実的には不可能ですので、代表的な店舗を標本として抽出し、毎月の価格が調査され、これから価格の個別指数が求められます。

 

2000年の物価水準を基準とするためには、年平均価格で当月価格を割ればよいのです。

 

表は2000年の平均価格を100として得られた2003年11月、12月における通信料と食料の例です。

 

これでもわかるとおり、品目によって価格の変化方向や変化率には大きな差があります。

 

このような多数の品目の価格を総合して価格指数を作成するには、典型的な消費者が1ヶ月間に購入する商品、サービスの金額を調査する必要があります。
その結果から、それぞれの支出項目の支出額を求め、これをウェイトとして各品目の価格指数を加重平均することで、総合的な物価指数が求められます。

 

表にあるウェイトは、西暦2000年における実際の家計支出額から評価された支出額で、支出額合計を10,000としたものです。

 

試みに、上記の8品目だけを合成した価格指数を2003年12月について計算すると、

 

(180×90.9+74×94.8+・・・+28×97.3)÷(180+74+・・・+28)=93.2

 

のようになります。

 

実際の消費者物価指数では、約600品目について毎月の価格調査が行われ、家計の消費支出額をウェイトとした加重平均が求められています。

 

このようにして求められる指数をラスパイレス価格指数とよびます。

 

なお海外ではLaspeyresはラスペーアと発音されますが、ここではわが国の慣例にしたがってラスパイレスと表記します。

 

一般に、基準時点(ここでは2000年)の支出金額をウェイトとして作成した固定ウェイトによる加重平均をラスパイレス算式とよびます。

 

この算式は、比較する時点が変わっても同じウェイトを用いる点に特徴があります。

 

ラスパイレス算式は企業物価指数(旧卸売物価指数)をはじめとして、ほとんどの価格指数で採用されていますが、それにはいくつかの理由があげられます。

 

第一に、指数を作成する際に用いられるウェイトを固定することから、ウェイトに関する調査は基準時点にだけ実施すればいいということがあります。

 

金額の調査は多数の消費者世帯または多数の企業を調査しなければなりませんが、そのための費用は価格調査に比較して膨大なものとなりますし、集計に必要な時間を考えると価格指数を毎月作成するための金額調査は現実的には難しいといえます。

 

指数の経済的な意味:生計費の比率

 

もう一つの理由に、ラスパイレス算式は経済的な解釈が容易であるという点があります。

 

各品目の基準時点の価格をp0、比較時点tの価格をptと書くと、表にあるような個別の価格指数はpt/p0と表されます。

 

ここでは簡単のために基準時点の水準は100ではなく1としています。

 

ラスパイレス算式で用いられるウェイトは支出金額なので、基準時点の購入数量をq0とすると、p0×q0がウェイトです。

 

このことから上記の加重平均の分子は各品目のウェイトp0×q0に価格指数pt/p0を掛けた(p0×q0)×(pt/p0)=pt×q0の合計となります。

 

これは基準時点と同じ購入量を比較時点にも購入することを意味します。

 

一方、加重平均の分母は各品目の支出金額(p0×q0)の合計になります。

 

このことから、t時点のラスパイレス指数PL(t)は(ptq0の合計)÷(p0q0の合計)となり、「基準時点と同じ生活をした場合に比較時点で必要な生計費と基準時点の生計費の比」という意味をもちます。

 

同じような基準として、比較時点の生活水準を基準時点の価格で評価して比を計算するという方法も考えられます。

 

パーシェ(Paasche)算式とよばれるものがそれです。

 

具体的にはPp(t)=(ptqtの合計)/(p0q0の合計)で与えられます。

 

この指数も、金額比としての経済的意味が明確です。

 

パーシェ指数の計算のためには毎月の金額または数量を知る必要があり、実用性の面から利用される例は比較的少ないですが、理論的には重要です。

 

この他、PLとPpの幾何平均として定義され、古くから知られているフィッシャー指数PF(t)=√PL(t)・Pp(t)も、最近になって再び注目されています。

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価格指数の統計学【統計解析講義基礎】

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