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統計学における信頼性工学【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

統計学における信頼性工学【統計解析講義基礎】

統計学における信頼性工学【統計解析講義基礎】


統計学における信頼性工学【統計解析講義基礎】

 

図に過去20年間における乗用車100台あたりの新規発売後3年間の故障件数を米国製、欧州製、日本製の3極に分けて表しました。

 

3極とも故障件数が年々減少していること、欧米と日本との差が縮まっていることがわかります。

 

性能の優れた大変快適な車であっても、すぐ故障してはユーザーの満足度(品質の定義)は得られません。

 

この品質を時間の関数としてとらえたものを信頼性といいます。

 

それでは、寿命は長ければ長いほどよいのでしょうか。

 

答えは否です。その製品に期待される時間(任務時間)、故障がなければよいのです。

 

たとえば図において時刻Tまで無故障である確率を信頼度R(T)と呼びます。

 

RはReliabilityのRを表します。

 

初期故障が始まって

 

数年前に、新幹線のぞみが初めて運行開始したとき、故障が続発し、乗客に大きな迷惑をかけました。

 

これは設計ミスや製造ミスに起因するもので、「初期故障」と呼ばれます。

 

今はどうでしょうか。

 

故障のニュースはほとんど聞こえてきません。

 

すなわち、故障率が減少して初期故障が洗い出されてしまうとシステムの故障は落ち着き、ある一定の値となります。

 

この間は人間の運転ミスや、整備ミスなど主として外部要因によりランダムに故障が起きます。

 

この故障を偶発故障と呼びます。

 

しかし、20年、30年と運行が続けば、部品の老朽化にともない、疲労、劣化などにより、故障の頻度が増えていきます。

 

これを摩耗故障と呼びます。

 

このような故障の発生頻度を縦軸に、横軸に使用経過時間をとったものを故障率曲線と呼びます。

 

全体の形が西洋のお風呂の形に似ているので、バスタブ曲線とも呼ばれています。

 

初期故障期は使い慣らしやデバッキング(バグは虫、デは除くの意味)などのスクリーニングを行い、故障率が安定してから出荷すればよいのです。

 

偶発故障期には使い方を遵守すること、摩耗故障期にはその徴候を感度よくとらえ、故障率が増加しはじめたときに、オーバーホールや事前の部品交換などの予防保全を行えばよいのです。

 

人間の一生でも

 

人間の死亡率の時間的推移も図のような傾向をもちます。

 

医療技術の発達、人々の文化水準など、その国の文明度を計る尺度の一つは出生時死亡率です。

 

出生時死亡率は青壮年期のそれと比べれば、はるかに高いです。

 

青壮年期の死因は交通事故のようにランダムに生じる偶発故障に相当します。

 

老年期に死亡率が増加するのは人間の宿命です。

 

なお、バブル崩壊後は壮年期の自殺が交通事故死をはるかに上回っていることは大変なげかわしいものです。

 

保全のいくつかのタイプ

 

次に、携帯電話のバッテリーを考えてみましょう。

 

購入時にバッテリーが充電できなければ初期故障、数カ月後使用中に落として、バッテリーが破損したのは偶発故障、数年後使用中に落としてバッテリーが破損したのは偶発故障、数年後コンセントにつないでも充電ができなくなったのは摩耗故障です。

 

また、携帯電話のバッテリーをいつも使えるようにするためには、毎週水曜と日曜などに定期的な充電を行うことが必要です。

 

これを時間計画保全といいます。

 

あるいはバッテリー残存量がモニターに表示されれば、その状態にもとづき必要なときだけ充電すればよいのです。

 

これを状態監視保全といいます。これらを含めて予防保全といいます。

 

最悪なのはバッテリーが切れてから充電する方法で、これを事後保全といいます。

 

システムの故障をなくすには予防保全が重要です。

 

またシステムを構成する部品が故障しても、システム全体としては致命的な欠陥にはならないように設計上工夫することが重要です。

 

このような考え方をフェイルセーフと呼びます。

 

また人間のミスが原因でシステムの故障が生じることが少なくありません。

 

人間はミスをおかすものですから、これを前提にした工学的な設計の工夫によって、ミスをなくすフールプルーフ設計が重要な役割を果たします。

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