外生因子をコントロールする例【統計解析講義応用】

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外生因子をコントロールする例|【統計学・統計解析講義応用】

外生因子をコントロールする例【統計解析講義応用】


目次  外生因子をコントロールする例【統計解析講義応用】

 

 

外生因子をコントロールする例

 

ウィツケーテヴィス,ストッツ,ウィリアムズ,フローリッヒャー,ハント〔Wipke-Tevis, Stotts. Williams.Froelicher, & Hunt, 2001〕は,準実験研究を行い,条件の一定性を保証するために多大な配慮をした.

 

研究目的は,静脈性潰瘍患者において,4つの体位による組織の酸素濃度を比較することだった.

 

研究者による環境因子のコントロールの例は,以下のとおりである.

 

すべての測定を早朝に行い,対象者に絶食を指示し,空腹時血の検体を採取した.

 

それから,全対象に同じ朝食を提供した.

 

朝食後,すべての対象が30分間背臥位で休み,その後,テストを始めた. 160人の対象の半数を,夜の12時に取りはずされる群に,残りの半数を朝6時に取りはずす群に無作為に割り付けた.

 

この研究を行ったイギリスでは,従来,朝6時に取りはずしている.夜12時抜去群の患者は,1度目と2度目の尿意が多かったため,早期に退院できた。

 

対象に固有の因子のコントロール

 

量的な研究結果を解釈できるようにするには,ほとんどの場合,参加者の特性をコントロールする必要がある.

 

無作為化

 

個人の外生変数をコントロールするもっとも効果的な方法としては,すでに述べた無作為化がある.

 

無作為化の主な機能は,グループを比較できるようにする,つまり外生変数に関してグループを均等化することである.

 

他のコントロール方法に比べて,無作為割り付けがとくに優れている点は,どの変数をコントロールする必要があるかを研究者が決めなくても,すべての外生変数の源泉と考えられるものをコントロールすることにある.

 

ナーシング・ホームの入居者の心血管機能に運動訓練プログラムがもたらす効果について査定するとしよう.

 

年齢,性別,喫煙歴,食生活,ナーシング・ホーム入居期間などの特性は,特別なプログラムとは関係なく,患者の心血管機能にすべて影響するだろう.

 

こうした他の変数の影響は,研究問題にとっては無関係であり,介入の効果を理解するためにコントロールしたほうがよい.

 

無作為化によって,実験群(訓練プログラムを受ける群)とコントロール群(対照群;プログラムを受けない群)とで,心血管機能に影響するいかなる他の因子についても同様に比較できるだろう。

 

反復測定

 

クロスオーバー・デザインの文脈での無作為化は,比較する集団間の均等化を保証する方法としてとくに力を発揮する.

 

しかし,このようなデザインは,キャリーオーバー効果の問題があるため,すべての研究に適切とはいえない.

 

対象が2つの異なる条件にさらされる場合,最初の条件の経験が2番目の条件に影響するかもしれない.

 

先はどの運動訓練プログラムの例は,クロスオーバー・デザインは適さない.

 

それは,「プログラム実施後にプログラムなし」と「プログラムなし後にプログラム実施」は,同じ条件とはいえないからである.

 

たとえば,最初にプログラムを実施する条件の対象は,プログラムを実施しない期問も,もっと運動しようと決めるかもしれない.

 

クロスオーバー・デザインでは処理を同時に適用できないので,処理を行う順序は,対象の得点への影響において重要であろう.

 

最良の方法は,順序を無作為にすることである.

 

クロスオーバー・デザインで2つの条件のみの場合には,研究者は単純に,無作為に,対象の半数には最初に処理A,他の半数には最初に処理Bを行うようにする.
3つ以上の条件をそれぞれの対象に施す場合は,順序による影響を排除するために,カウンターバランス(counterbalancing ; 順序効果相殺)の手順をもちいることができる.

 

たとえば, A, B, Cという3つの条件がある場合は,カウンターバランスの図式の6つの異なる順序に,対象を無作為に割り付ける。

 

クロスオーバー・デザインは,無関係な対象特性をコントロールする大きな可能性に加えて,必要とする研究対象が少ないという利点をもつことも覚えておこう.

 

50の対象を,2つの処理に無作為の順序でさらした場合, 100のデータ(50×2)が得られる.

 

50の対象を,2つの異なる処理群に無作為に割り付けた場合,50のデータ(25×2)しか得られない.

 

要するに,クロスオーバー・デザインは,外生変数を取り除くには強力で有効となろう.

 

しかし,1つの条件の効果が次の条件に影響するキャリーオーバー効果が予想される場合(多くの看護介入で該当するだろう)は,他のデザインを探す必要があるだろう.

 

 

カウンターバランスの例

 

スティーヴンス,ジョンストン,フランク,ペトリシェン,ジャック,フォスター〔Stevens, Johnston, Franck,Petryshen, Jack, & Foster, 1999〕は. 122人の低出生体重児に対し,踵部の採血処置のあいだに,4つの疼痛緩和介入を行った.

 

介入は,@腹臥位,A滅菌水のおしゃぶり,Bショ糖のおしゃぶり,C標準処置である.

 

児が4つの処理を受ける順序は,完全に無作為であった.

 

等質性(均質性)

 

無作為化やクロスオーバー・デザインが使えない場合,無関係な特性をコントロールする方法がほかにある.

 

このような方法の1つとして,交絡変数に関して等質な対象だけをもちいる.

 

この場合には,外生変数は一定となる.

 

さきほどの運動訓練プログラムの例で,対象が2つのナーシング・ホームの入居者で,一方のナーシング・ホームで運動訓練プログラムを行い,他方では行わないとしよう.

 

性別が重要な交絡変数であると考えられたなら(そして,2つのナーシング・ホームで男性と女性の割合が違うなら),男性のみ(または女性のみ)をもちいることによって,性別をコントロールできよう.

 

同様に,対象の年齢が,心血管機能への交絡変数であると懸念されたなら,研究参加者を,ある一定の年齢層に限ることもできよう.

 

等質な標本をもちいることは簡単で,かなりコントロールできるようになる.

 

この方法の限界は,研究結果を,その研究に参加した対象のタイプにのみ一般化できるということにある.

 

たとえば,運動訓練プラグラムが,65〜75歳の男性標本の心血管機能の状態に望ましい効果をもたらすことがわかったとしても,それが80歳代の女性の心血管機能の状態を改善するのに有効かは,厳密には推測の域を出ないだろう.

 

実際,研究者が,重篤の病気または対応できないような対象を除外することがあり,この方法の注意を要する批判となるところである.

 

つまり,おそらく科学的発展をもっとも必要としている,まさにその人々へと,研究結果を一般化できないということである.

 

 

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