法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】

法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】 | 統計解析 - ChatGPT・Python・エクセルを使った講義で最速マスター

セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

法的かつ倫理的問題|【統計学・統計解析講義応用】

法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】


目次  法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】

 

 

法的かつ倫理的問題

 

医学的正当化

 

試験で提案された治療の各々は,患者の特異的な病状のために,現在,許容可能な診療の範囲内である必要がある.

 

医学的正当化(medical justification)を考慮すべき問題による困難は.概して次の2つの根本的な原因により生じる.

 

@一般的に,ある治療方法が他より優れていると信ずるに足る理由があるため,試験を開始する.

 

A多くの現在承認されている治療は,新しい治療に適用される精査の種類をこれまで受け入れてない.

 

これらの要因は,標準治療の変更を必要とするプロトコールを好まない医師にとってジレンマを引き起こす.

 

不確定性原理(uncertainty principle)と呼ばれるこのジレンマの解決方法が提案されている.

 

不確定性原理のもとで行動することにより,臨床医は.治療の1つが実際により優れているかどうかについてかなり不確かであるときでも,試験登録を申し出やすくなければならばない.

 

患者はもちろん,状況を再考し,決断する機会を与えられるが,多くの患者にとって,医師の薦めは試験に参加するかどうか決める非常に重要な要因になる.

患者のグループと個人

 

臨床試験の倫理的なバランスは,概して,臨床試験に参加するより多数の患者の利益と個人の利益に依存する.

 

治療が予備的な結果または小規模試験に基づくと,より良いもののようであるが,その後適切な規模の試験に基づくと,劣っていることが示された事例が蓄積されている.

 

これらの経験は.統計的に有意な差が示されるまで,いくつかの規制当局が臨床診療を変えるべきではないとの議論につながっている。

 

実際, FDAのCardiorenal Advisory Committee (心腎臓疾患諮問委員会)が承認する標準は,2つの適切かつ十分コントロールされた試験が,試験毎独立に統計的に有意な結果を示すことである.

 

各試験の有意水準が0.05であるとき,両試験を合わせて試験が成功する有意水準が0.0025 (0.005×0.005)であることが必要となる.

 

患者個人にアドバイスをする医師は,どの治療が最も良い結果を導くかということを患者に知らせるべきであるという反論がある.

 

実際,ベイズ流の計算は,ある治療がより良いものであるという可能性を連続して推定するために用いることができる.

 

しかしながら,典型的で一般的な大規模実践的試験では,このアプローチはとらない.

 

今後,患者に推薦できるよう,以前述べた倫理的な原理を適用することにより,統計的にかなり有意で信頼区間が小さいという決定的な結果を達成した試験において,十分ネガティブな結果を得るために努めている.

 

 

臨床試験と管理上で生ずる治療の質を向上されるための方法とを区別することで,混乱が生じる.

 

前者は.個別の患者のインフォームド・コンセントが必要であり,一方,後者は診療の範囲内であり個別の患者の同意を必要としていないという議論がなされている.

 

臨床試験のデータ収集は,ますます,実施中の前向き登録と電子カルテのデータを利用するようになっているため,この区別はあいまいになる可能性がある.

 

実際,健康関連システムを習得するための医学研究所のビジョンは,診療の中での観察研究やランダム化試験のデータの継続的な利用を求めている.

 

研究プロジェクトを詳細に説明し,インフォームド・コンセントを得るために十分な時間がないという緊急の状況下で行われる試験において,いくつかの特別な状況を考慮しなければならない.

 

急性脳卒中(stroke)または心筋梗塞の患者を治療する際には,治療する時間は結果を決めるのに非常に重要であり,プロトコールに参加するために費やされる時間は死亡のリスクを増加させる可能性がある.

 

その結果,参加のための簡易の同意書を使用し,その後の入院時に,より詳細な説明をすることが認められている.

 

Petoは,ISIS-2の際,米国で使われていた長くてわかりにくいインフォームド・コンセントフォームは,実際,急性心筋梗塞のかなり多くの患者の不必要な死亡を引き起こしたという切実な事例を指摘している.

 

心臓または呼吸停止の治療に関連した研究では.さらに複雑な状況が生じている.

 

この領域の臨床試験は.インフォームド・コンセントを得ることが不可能なため,ほとんどが中止に終わっている.

 

かなりの国民的な議論の後に,このような研究は.現在,提案されている研究の潜在的利点について,医療提供者と市民のコミュニティにより注意深く考慮された後,行われている.

 

このような考慮すべき問題は,精神障害をもつ患者にとって少なくとも複雑である.

 

同意を得て,患者の臨床症状が変わるときに患者を試験に引きとめる状況について,思慮深い議論が続いている.

 

 

法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】


セミナー詳細                    解析ご相談                    LINEでお友達

法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】

法的かつ倫理的問題【統計解析講義応用】