評価研究【統計解析講義応用】

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評価研究|【統計学・統計解析講義応用】

評価研究【統計解析講義応用】


目次  評価研究【統計解析講義応用】

 

 

評価研究

 

評価研究(evaluation research)は,一種の応用研究であり,特定のプログラム,実践,手順,政策などが,どの程度うまく遂行されているかを明らかにしようとするものである.

 

評価研究では,研究目標は実用的で,意思決定をしなければならない人々の実際の疑問に答えることが目的である.

 

つまり,「新しいプログラムを採用すべきか,または現在のものを中止すべきか」,「現在の実践に修正が必要か,またはそれらをすべてやめるべきか」,「新しいプログラムを実施するための経費は,得られる利益を上回るか」などである.

 

臨床試験は,評価として使われることもある.

 

先の例で使ったWINSプログラムの多施設臨床試験は,そのプログラムの評価でもある.

 

臨床試験は, WINSプログラムが喫煙を減らすという目的に合致しているかどうかを判断するために使われる.

 

概して,評価研究という用語は,研究者が特定の実体物(例:代わりとなる薬や消毒液)を評価する場合よりも,むしろ複雑なプログラムの有効性を判断する場合に使われる.

 

このように,すべての臨床試験が評価といわれるわけではないし,すべての評価が臨床試験に関する方法を使うわけではない.

 

さらに評価は,介入が通常のケアよりも臨床的に有効かを単純に判断するというより,より幅広い疑問に答えようとすることが多い.

 

たとえば,評価によって,介入の費用効率がよいかどうかを判断することも多い.

 

評価研究は,地域レベルでも国家レベルでも重要な役割を果たす.

 

評価は,政策研究(policy research)として知られる研究分野にとって不可欠であることが多い.

 

看護研究が,国や地方の健康政策をかたちづくるのに役立つことを,徐々に多くのナースが知るようになり,したがって,健康事業に基金を割り振るような政策に影響を与える評価に着手している.

 

評価を行う場合,研究者は当然のように,組織の問題,対人関係の問題,または政治的な問題に直面することが多い.

 

評価研究は,脅威となることがある.評価の焦点がプログラムのような有形でないものにある場合でさえ,それを実施するのは人々である.

 

人々は,彼ら自身や彼らの仕事が評価されると思ったり,また,彼らの仕事や評判にかかわると感じるかもしれない.

 

このように,評価研究者は,方法論的な技術以上のものをもつ必要がある.

 

つまり,評価研究者は,人々との相互関係に熟練した外交家である必要がある.

 

評価研究モデル

 

評価研究の実施に関しては,さまざまな学派がある.

 

評価の伝統的な方略には,大きく分けて4つの段階がある.

 

つまり,@プログラムの目標の決定,Aそれらの目標の達成度を測定する手段の開発,Bデータ収集,そして,C目標に照らしたデータの解釈,である.

 

プログラムの目標を具体的に記述するのは容易でないことが多い.

 

多くの目標を立てて,そのうちのいくつかがあいまいになるものもあろう.

 

古典的な評価モデルでは,行動目標をつくる重要性を強調している.

 

行動目標(behavioral objective)は,プログラムがねらいとする人々の行動,つまり,プログラムの企画者ではなく,むしろ受益者の行動について,プログラムが意図したアウトカム(成果)を陳述したものである.

 

したがって,最終目標が手術後の患者の歩行にあるのならば,行動目標は「患者は,術後3日以内に廊下の端から端まで歩けるようになる」というように記述できる.

 

「ナースは,患者が手術後3日以内に廊下の端から端まで歩けるように教育する」というような行動目標を記述するべきではない.

 

しかし,行動目標を極端に強調しすぎることがある.

 

必ずしも行動用語では表現できない士気とか情緒(たとえば,不安)のような心理的側面について評価することもあるだろう.

 

これに代わる1つの評価モデルが,いわゆる目標を設定しないアプローチ(goal-free approach)である.

 

このモデルを支持する人たちは,プログラムがその公の目標を達成するほかにも,多くの結果をもたらすかもしれないこと,そして従来のモデルでは,これらの他の影響を調べることができないということが欠点であると主張する.

 

 

目標を設定しない評価とは,意図したアウトカムについての情報なしで,プログラムのアウトカムを評価する試みであるといえよう.

 

評価者の仕事は,非常に骨の折れる仕事であるが,基本的には,プログラムまたは実践がシステム全体のさまざまな構成要素に与える間接的影響を説明することである.

 

目標を設定しないモデルは,有益なアプローチである.

 

しかし多くの場合,評価のために無限の資源(人材,時問,資金)を使えるなどということはないので,このモデルは実際的ではないだろう.

 

意思決定者にとって,速やかに意思決定ができるよう,目標達成がなされたかどうかを知る必要があるだろう.

 

評価の種類

 

評価は,プログラムや政策についてのさまざまな疑問に答えるために行う.

 

実験(または準実験)デザインを利用する疑問もあれば,利用しない疑問もある.

 

大規模な介入〔試験的に実施した場合は,デモンストレーション(demonstration)ともいう〕の評価では,評価者はここで論じるすべての評価活動にうまくとりかかるだろう.

 

過程分析もしくは実施分析 プログラムを施行したとき,それが実際にどのように機能しているのか,その過程についての記述的情報が必要な場合に,過程分析(process analysis ; プロセス分析)または実施分析(implementation analysis)を行う.

 

通常,過程分析は,次のような疑問に対応するようにデザインする.

 

たとえば,「プログラムは,企画者が意図したように機能するか」,「プログラムの最大の長所と短所は何か」,「その処理は,いったい何か.どのように従来の実践と違うのか(違いがあれば)」,「プログラムの成功に対する障害は何か」,「スタッフやクライエントは,介入についてどう感じているのか」などである.

 

過程分析を,新しいプログラムや実施中のプログラムを改良する目的で行うこともある.

 

そのような場合,これを形成的評価(formative evaluation)ともいう.

 

ほかには,過程分析の目的は,主としてプログラムを注意深く記述することにあり,それによって他の人がそのプログラムを繰り返せるようになる.

 

または,プログラムが目標に到達するのに効果的か効果的でないか,その理由を人々がよく理解できるようになる.

 

どちらの場合でも,過程分析は,質的データと量的データの双方を収集することが多く,プログラムの機能について徹底的な検証を行う.

 

この種の評価は記述的で,それゆえ非実験的である.

 

 

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