有意標本【統計解析講義応用】

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有意標本|【統計学・統計解析講義応用】

有意標本【統計解析講義応用】


目次  有意標本【統計解析講義応用】

 

 

有意標本

 

質的標本抽出は,ボランティアの情報提供者で始めて,雪玉式に新しい参加者を補充するが,結局,大部分の質的研究は,有意(または有為)抽出法の方略を展開する.

 

つまり,研究にもっとも利益をもたらす事例を自分で選ぶ.

 

有意標本の例

 

ゲビー,ウェイクフィールド,カーフットは,公衆衛生政策で現在活躍している27名の米国人ナースを有意に選び,政策を開発する際の体験を記述した.

 

有意抽出法では,いくつかの方略が明らかであり,ここにそのいくつかだけを示そう.自分の標本抽出計画に,パットンがつけた名称を使う必要はない.

 

パットンの分類は,質的研究者が,自らの研究の理論的必要性を満たすために適用したさまざまな種類の方略を示している.

 

・最大多様l生抽出(maximum variation sampling)では,関心ある側面の多様性の範囲を広げ,事例を有為に選ぶ.異なる視点や考え方をもつ参加者を選ぶことは,研究者にとって,先入観による概念化や,浮かび上がった概念化に対する反証となる.

 

最大多様性抽出は,異なる背景をもつ人々(男性と女性,貧しい人々と裕福な人々,など)が標本になることを保証する.

 

これには,研究している現象について異なる視点をもつ人々を含めようという意図的な試みもある.

 

たとえば,初期の参加者にさまざまな視点をもつ人々を紹介してくれるように頼もうとして,雪玉式を使うこともあるだろう.

 

・均質標本抽出は,慎重に多様性を減らし,探究の焦点を絞ることができる.

 

特定の集団の人々をとくによく理解したいときに,この方法をもちいることもあるだろう.

 

集団面接のために人々を選ぶ際に,均質標本抽出をもちいることが多い,

 

・極端な(逸脱した)事例の標本抽出は,もっともふつうでない極端な情報提供者から学ぶ機会を提供する(例:著しい成功や注目すべき失敗).

 

この方法の前提は,極端な事例はある意味特別で,情報に満ちているということである.

 

集中的に極端な事例を研究することで多くを学びうるが,現象の理解を歪めることもある.

 

・強調した標本抽出(intensity sampling)は,極端な事例の標本抽出と似ているが,極端さを強調するものは少ない.

 

強調した標本は,極端な徴候や歪んだ可能性のある徴候を示すものではなく,関心ある現象を一目瞭然と示すような,情報豊かな事例を含む.

 

 

このように,強調した標本抽出での最終目標は,その現象について強い例となるような豊富な事例を選ぶことである.

 

・典型例の標本抽出(typical case salnpling)では,典型例またはふつうの例として示せたり,強調できる参加者を選ぶ.

 

研究している現象の典型的な姿を示す質的な人間像をつくるために,得た情報を活用できる.

 

・重要例の標本抽出(critical case sampling)では,関心のある現象について重要である事例を選ぶ.

 

この方法で,研究者は,現象の重要な側面を示すような,最適の物語を探す.

 

・基準標本抽出(criterion sampling)では,重要性についての既定の基準を満たす事例を研究する.

 

マルチメソッドによる研究で基準標本抽出をもちいることがあり,その場合,量的構成要素から得たデータをもちいて,徹底的な研究のための特定の基準を満たす事例を選ぶ.

 

サンデロウスキーは,ミックス・メソッド・リサーチにおいて,標本抽出の方略を組み合わせるのに役立つ多くの提案を示している.

 

・理論に基づく標本抽出(theory-based sampling)では,重要な理論の構成概念をあらわす可能性に基づいて,人々やできごとを選ぶ.

 

理論に基づく標本抽出は,通常,質的に検証されている既存の理論に基づいた,かなり焦点を絞った方法である.

 

確認事例と非確認事例の標本抽出は,質的研究で,データ収集の終わりに向かってもちいることが多い.

 

研究者が,データにおける傾向やパターンに気づくにつれて,わかってくる概念化を確認する必要がある.

 

確認事例(confirming case)は,研究者の概念化に適し,信用性を高めるような,追加の事例である.

 

非確認事例(disconfirming case)は,研究者の解釈に適さず,反証するような事例である.

 

これらの「ネガティブな」事例は,もとの概念化をどのように見直し,拡大すべきかについて,新しい洞察をもたらすかもしれない.

 

これらの標本抽出の方略のほぼすべてにおいて,研究者が研究する環境について,なんらかの知識を備えている必要があるということを覚えておくべきだろう.

 

たとえば,極端な例,典型例,重要例を選ぶには,研究者は,現象の多様性の範囲についての情報と,それがどのように現れるかについての情報を備えていなければならない.

 

初期の参加者が,これらの標本抽出方略を実施するうえで役立つだろう.

 

 

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