金利とマネーサプライで読む景気動向【ChatGPT統計解析】
通貨に関する統計では、金利と並び注目されるマネーサプライの定義が複数あり、M1は現金通貨と要求払預金、M2+CDはM1に準通貨と譲渡性預金を加えたもの、広義流動性にはさらに国債や投資信託が含まれる。これらは景気動向と関連し、M3や広義流動性は資金シフトの把握に活用される。譲渡性預金(CD)は金融市場で売買可能で、規制が撤廃され自由化されている。1980年代以降、金融緩和でM2+CDの伸び率が顕著だったが、1990年以降は鈍化。マネーサプライには季節変動があり、『金融経済統計月報』に調整済みデータが掲載。貸出では1985年から1995年に製造業への割合が減少し、不動産や住宅資金への貸出が増加。預金残高では1998〜2003年で銀行は増加、郵便局は減少、要求払預金が増加し定期性預金は減少している。
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通貨に関する統計
通貨に関する統計
金融の統計で金利と並んで最もよく注目されるのがマネーサプライである。
マネーサプライには,その範囲によっていくつかの定義がある。
日本では以下のような定義が行われている(日本銀行調査局発行『金融経済統計月報』より)。
M1 :現金通貨+預金通貨(当座・普通預金等の要求払預金)
M2+CD : M1 +準通貨(要求払預金を除く一般・公金預金)+譲渡性預金
M3+CD : M2+CD+郵貯+農協+信用組合+金銭・貸付信託等
広義流動性:M2+CD+郵貯+農協+信用組合+金銭・貸付信託+金融債+国債+投資信託等
マネーサプライの変動は景気動向とも密接に関係しているほか,M3や広義流動性は,郵貯などへの資金シフトのようすを把握するのによく使われる。
CD(譲渡性預金:negotiable certificate of deposit)とは,第三者に譲渡可能な銀行の預金証書であって,金融市場で自由に売買できる。
以前は,期間については2週間から2年,1口当たりの金額については1979年5月のスタート当初は最低5億円, 1984年1月から3億円になり, 1985年4月からは1億円, 1988年4月からは5,000万円と,期間や最低発行単位に関する規制があったが,現在では撤廃され,自由になっている。
発行金利は現先,手形レートなどを参考に発行者(銀行)と購入者(流通業者,企業,地方自治体など)の交渉で決まる。
特に1980年代後半以降金融緩和と金融商品の多様化を反映して,M1に比べてM2十CDの仲び率が顕著に大きくなっている。
しかし,株式市場が急落した1990年を境にして,伸び率は大きく鈍化している。
なお,マネーサプライには明確な季節変動がある。
中でも現金通貨の大半を占める日本銀行券は,年末年始や5月の連休のときなどに,発行量が顕著に増える。
したがって,月次,四半期統計を見る場合には注意が必要である。
『金融経済統計月報』には季節変動調整済み系列も掲載されている。
次に,金融機関からの資金の貸出状況と預金の状況について見てみよう。
銀行の貸出先は1985年からの約10年間で大きく変化した。
1985年時点における製造業への貸出が全体の26%と大きなウェイトを占めていた。
その後,資金の豊富な企業や市場から直接資金を調達する企業が増え, 1995年には15%に低下した。
一方,建設・不動産業への貸出は,13%から19%に上昇している。
1980年代後半のいわゆるバプル期に銀行の貸出先がかなり変化したことがわかる。
すなわち,これまで日本経済を牽引する最も大きな産業であった製造業の比率が大きく低下する一方で,建設・不動産業の比率が高まっている。
また,住宅資金への貸付の割合も大きく上昇している。
バブル期には,日本人は,1人16万円も借金して消費していたことになる。
なお,バブル経済の崩壊以後,同貸出残高は減少を続け, 2003年には9兆円弱となっている。
次に,預金について見てみよう。
国内銀行の預金残高は1998年から2003年までの5年間に9.3%の増加となっている。
また,信用金庫も4.4%の増加となっているのに対して,郵便局は10.0%の減少となっており,金融機関の業態ごとに違いが見られる。
国内銀行における預金者別預金残高の推移は、2003年の残高を5年前(1998年)と比較してみるとに普通預金などの要求払預金と定期性預金の合計残高は,一般法人及び公金は減少しているが,個人は増加している。
また,要求払預金と定期性預金を分けて見ると,ペイオフ制度の影響から要求払預金は増加しているが,定期性預金は減少している。
通貨に関する統計では、金利と並び注目される指標としてマネーサプライが挙げられ、その定義は複数存在する。代表的なものとして、M1、M2+CD、広義流動性がある。M1は現金通貨と要求払預金を含み、主に現金やすぐに引き出せる預金の合計を示すものである。これに対し、M2+CDはM1に準通貨と呼ばれる定期性預金や譲渡性預金を加えたもので、短期的な資金運用の状況を把握するために用いられる。また、広義流動性はM2+CDに加えて国債や投資信託などさらに流動性の高い金融資産を含み、金融市場全体の資金量を示す指標として利用されている。これらの指標は経済活動や景気動向と密接に関連し、金融政策の判断や資金シフトの状況を把握するための重要なデータを提供する。特にM3や広義流動性は、銀行部門から他の金融機関への資金移動のトレンドを理解するための指標として有用である。一方、譲渡性預金(CD)は金融市場で自由に売買可能な預金商品であり、その自由度が金融の規制緩和によって1980年代以降大きく広がった。この自由化により、金融商品の多様化が進み、資金の運用手段が広がった点は注目に値する。1980年代以降、日本では金融緩和政策が進められたことにより、M2+CDの伸び率が顕著であった。しかし、1990年代以降、特にバブル経済崩壊後にはその伸びが鈍化し、景気停滞の影響が反映される形となった。マネーサプライの動向には季節的な変動も存在するため、これを補正したデータが『金融経済統計月報』に掲載され、より正確な分析が可能となっている。また、貸出に関しては、1985年から1995年にかけて製造業への貸出割合が減少し、不動産業や住宅資金への貸出が増加する傾向が見られた。この背景には、産業構造の変化やバブル期における不動産価格の高騰が影響していると考えられる。一方、預金残高の推移をみると、1998年から2003年にかけて銀行における預金残高が増加する一方で、郵便局の預金残高は減少した。これは、金融機関の競争激化や金利動向が影響している。また、預金の種類別では、要求払預金の増加が顕著である一方で、定期性預金は減少傾向を示している。この変化は、低金利環境の継続や流動性を重視する消費者行動の反映と考えられる。さらに、金融市場における資金調達や資金運用の手法が多様化したことも、預金残高や貸出動向に影響を与えた要因として挙げられる。特に、1990年代以降のバブル崩壊後には、銀行の不良債権処理が進む中で、金融機関の貸出態度が厳格化し、資金調達が困難になる企業が増加した。一方で、政府の金融政策は経済の活性化を目的としており、金融緩和を通じて企業や個人の資金需要を刺激することが試みられてきた。このような状況の中で、金融機関の役割や金融政策の有効性が議論されるようになり、マネーサプライや貸出残高といった統計データの重要性がさらに高まった。これに加えて、近年ではデジタル通貨や電子マネーの普及が進み、伝統的なマネーサプライの定義や分析手法に変化をもたらしつつある。電子決済の拡大により、現金の流通量は相対的に減少している一方で、電子マネーやデジタル決済に関連する新たな統計指標が求められている。このように、マネーサプライや金融統計は時代とともに進化し続けており、これらのデータを的確に解釈することが、経済政策の立案や金融市場の動向を理解する上で不可欠な要素となっている。
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