マッチングによるコントロールの例【統計解析講義応用】

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マッチングによるコントロールの例|【統計学・統計解析講義応用】

マッチングによるコントロールの例【統計解析講義応用】


目次  マッチングによるコントロールの例【統計解析講義応用】

 

 

マッチングによるコントロールの例

 

マッチングによるコントロールの例の経験者と非経験者とで比較した.集団を類似のものとするために,年齢,人種,出産回数,妊娠週数,病院への支払い方法といった点でマッチさせた.

 

従属変数に影響する変数をすべてコントロールすることはしばしば不可能であるし,またその必要もない.

 

外生変数が従属変数と独立変数の両方に同時に関係する場合のみ,外生変数のコントロールが必要である.

 

例えば4つの変数,つまり母親の年齢,妊娠中のケアの量,食習慣,妊娠中の喫煙習慣が,児の出生時体重に関係していることを示す.

 

また,はじめの3つの変数は,相互に関係しあっている.

 

つまり,これらの3つの円か重なっているという事実は,児の出生時体重に対してのみでなく,さらに相互にも関係していることを示す.

 

すなわち,若年の母親と年長の母親とでは妊娠中のケアと栄養のパターンが異なる傾向がみられる.

 

しかし,母親の妊娠中の喫煙は,これら3つの変数には関係しない.

 

いいかえれば,にの例では)若年の女性と年長の女性を比較すると,妊娠中の喫煙に差異はなく,適切に食事することや適切な妊娠ケアを受けることには差異がある.

 

もしこの説明が正しければ,児の出産時体重に関する母親の年齢の影響についての研究では,喫煙についてコントロールする必要はないであろう.

 

もしこの図式が誤りならば,つまり,もし10歳代の母親が年長の母親よりも多く,または少なく喫煙するのであれば,母親の喫煙習慣もコントロールされなくてはならない.

 

児の出生時体重にみられる差異をもたらす原因をわれわれが十分理解するのには,他の出生時体1収の決定要因が必要なのである.

 

遺伝的特性,妊娠のできごと,妊婦に対する医学的介入などはすべて兜の出生時体重に影響する他の因子の例である.児の出生時体重に影響する因子を理解するには,数百の円を描く必要があろう.

 

研究をデザインするにあたって,研究者は,関心のある主な変数間の関係を十分に理解するために,独立変数と従属変数の両方に重なりあう変数をコントロールしようと努めなければならない.

 

量的研究におけるリサーチ・コントロールは,偏りを管理し,研究者の結論の妥当性を高める重要な手段である.

 

しかし,過度のコントロールが偏りを生む場合もある.

 

たとえば,主要な研究変数がそれ白体を表に出す手段を,研究名・が強くコントロールしてしまうと,その変数本来の性質があいまいになる可能性がある.

 

主要な概念があまり理解されていない現象である場合や,まだ不明瞭な段階では,質的研究のように,柔軟性のある方法が研究目的にかなっている.

 

自然主義パラダイムに根ざす研究では,コントロールはしない.

 

人問の体験の個別性と全体性を収視する質的研究は,概して,研究環境にコントロールを持ち込むことは,ある種の現実の意味を取り返しのつかないほど損なうことになると考える.

 

 

無作為性

 

量的研究者が偏りを排除するためにもちいる強力な手段は,無作為性という概念と関連している.

 

無作為性には,個人的好みからでもなく,むしろ偶然性をもちいた研究という特徴がある.

 

たとえば,無作為に研究参加に選ばれる場合,各人は同じ確率で選ばれる可能性がある.

 

これは標本構成に系統的偏りがないということを意味する.

 

たとえば,男性は女性と同じ確率で選ばれる可能性がある.

 

無作為性とは,外生変数をコントロールする強制的な方法である.

 

質的研究者は,無作為性を,現象を十分に理解するのに役立つ道具とは考えない.

 

質的研究者は意図的な(無作為ではない)方法で,研究の初期に得られた情報を使う傾向にある.

 

そうすることで,探究の方向を導き,研究者が概念化を拡大したり改良するのに役立つ豊かな情報源を求める.

 

研究者の適切な判断力があってこそ,関心をよせる現象の複雑性をときほぐすことができる.

 

一般化可能性と転用可能性

 

臨床実践の指針として,ナースが学問的研究によるエビデンスに頼る傾向が強まっている.

 

研究結果が,最初の研究対象,場所またはその研究状況に完全に限定されてしまう場合,実践を変化させるための基礎としてその研究結果を使えるだろ

 

うか.その答えははっきり,否である.

 

一般化可能性(generalizability)とは,量的研究でもちいる基準であり,研究結果を得た当初の集団以外のグループや環境に,その結果をどの程皮適用できるかを査定する.

 

研究者は,どのように研究の一般化可能性を高めるのだろうか.

 

何よりもまず,信頼性と妥当性において強固であるように研究をデザインしなくてはならない.

 

研究結果が正確でも妥当でもないとしたら,それが一般化できるかどうかを考えてもほとんど意味がない.

 

対象を選ぶとき,研究者は,研究結果を一般化できるようなタイプの人々を検討しなくてはならない.

 

そして,偏りがない標本が得られるような方法で人々を選ばなくてはならない.

 

研究が男性患者にも女性患者にも関係がある場合は,男性も女性も研究参加者に含む必要がある.

 

介入が都市の病院にいる患者,地方の病院にいる患者の両方に有用であろうとするならば,多点研究が必要である.

 

質的研究者は,その研究結果を一般化可能にするべく,とくに努力することはないが,他の状況にもあてはまると立証できる見解を求めることが多い.

 

リンカーンとグーバ〔Lincoln & Guba, 1985〕は,自然主義の探究において強い影響力をもつ著書のなかで,転用可能性(transferability)の概念を論じている.
転用可能性とは,研究の信憑性がもつもう1つの側面で,質的研究の結果が他の環境にどの程度あてはまるかという度合いである.

 

転用可能性を高める手段として,質的研究者が研究のコンテクストについて提供する情報量が重要である.

 

詳細な記述(thick description ; 分厚い記述)とは,質的研究者がよく使う用語であるが,研究環境および観察した相互行為や過程について,豊かに,そして詳細に記述することを指す.

 

質的研究者と同じく量的研究者も,研究参加者と研究環境について詳細に記述する必要がある.

 

それによって,他の人がそのエビデンスの有用性を査定できるようになる.

 

反復

 

実際には,どの研究にも欠陥または限界がある.

 

もっとも厳密な研究でさえもなんらかの偏りがあり,研究結果の妥当性または信憑性について,解決できない課題が生じる.

 

そして関心をよせるすべての集団や環境に研究結果を一般化できるような研究はわずかしかない.

 

どれほど堅固な研究であっても,ただ1つの研究だけを根拠に看護実践が変更されることはほとんどない.

 

エビデンスに基づく実践は,一般に,エビデンスの積み重ねの上になされる.

 

反復(replication)は,独自の探究のなかの,ある研究から導かれた研究結果について,その妥当性を確かなものとする企てである.

 

実際に,反復は,トライアンギュレーションのかたちをとり,研究結果の妥当性や正しさについての結論を導くために,複数の情報源や参考資料づ複数の研究結果)をもちいる.

 

反復研究は,看護科学の発展にとって重要である.

 

しかし,明らかに,反復研究,少なくとも出版された反復研究が不足している.

 

研究者,編集者,そして資金提供者が,独創性や「新事実を発見する(breaking new ground)」ことを強く望んでいるからであろう.

 

しかし,「地固めをする(paving the way)」ことも新事実の発見とまさに同じくらい重要であり,入念に計画し,適切に実施された反復研究は,エビデンスに基づく実践へと通じる道をひらく重要な用具である.

 

 

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