FMEA(failure mode and effects analysis)|予測に基づきトラブルの未然防止を図る【統計学・統計解析講義基礎】

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FMEA(failure mode and effects analysis)とは、予測に基づきトラブルの未然防止をシステマティックに図る手法。故障モードの抽出(ステップ1)と影響解析(ステップ2)がある。「故障モード」をあらかじめ予見しうるか否かが重要


目次  FMEA(failure mode and effects analysis)|予測に基づきトラブルの未然防止を図る【統計学・統計解析講義基礎】

 

FMEA:予測に基づきトラブルの未然防止を図る

 

FMEA(failure mode and effects analysis)とは、予測に基づきトラブルの未然防止をシステマティックに図る手法です。

 

明日の朝8時より本社41階の会議室にて重要な会議が行われます。

 

絶対に遅刻は許されません。

 

このとき、「朝6時に目覚まし時計が鳴らなかったら」「通勤電車が故障していたら」「本社のエレベーターが定期点検中だったら」と私たちは頭の中で想像し、それが起こりやすいもの、すなわち「確率が高い」ならば、事前にその対応策を立てます。

 

たとえば、目覚まし時計を2つ用意する、いつもより早めに出勤する、などです。

 

このような予測に基づきトラブルの未然防止をシステマティックに図ろうとするものを、FMEA(failure mode and effects analysis)とよびます

 

 

ステップ1:故障モードの抽出

 

一般に機能とは「名詞+動詞」で表現されます

 

ガスライターの場合、「炎(名詞)を出す(動詞)」と表されます(一次機能)。

 

炎を出すためには、ガスを放出することと、ガスに着火することの2つの機能が必要になります(二次機能)。

 

さらに、前者の「ガスを放出する」ためには、「ガスを貯蔵する」および「ガスボンベの口を開く」が必要となります(三次機能)。

 

ここで、三次機能が失われた状態を考えます。

 

すなわち、「ガスを貯蔵できない」、「ガスボンベの口を開けない」です。

 

このように機能を整理して、その機能が喪失した状態(これを故障モードといいます)を考えることによって将来起こりえる問題を事前に抽出できます。

 

また、データベースより類似製品・類似部品の過去の不具合を抽出すればよいわけです。

 

ステップ2:影響解析

 

先の例で三次機能が失われたとき、どのような影響が生じるでしょうか。

 

「ガスを貯蔵できない」とき、周囲に火があれば爆発のおそれがあります。

 

また、「ガスボンベの口が開かない」とき、タバコに火をつけられませんが、その影響は前者に比べればはるかに小さいです。

 

このようにステップ1で抽出された故障モードの発生度合いとその影響度の両者を考え併せ、事前のアクションをとるべき対象を抽出します。

 

このためには抽出された故障モード・トラブルモード一つ一つに対し、その影響の大きさと発生頻度に基づき、次式のリスクを評価すればよいのです。

 

リスク=影響の大きさ×発生度合

 

このリスクの評点があらかじめ定められた値を超える故障モードを事前アクションの対象とします。

 

また、問題を起こしやすいところは、変化があったところ、初めてのところ、久しぶりのところです。

 

これらの頭文字をとり3Hと呼びます。これに該当するところは、評点を2倍にすることをすすめます。

 

どのようなトラブルも未然防止

 

ガスを貯蔵できないという現象をさらに微視的に眺めれば、ライター容器の破損、ひび割れなどが考えられます。

 

これらの「故障モード」をあらかじめ予見しうるか否かが重要となります。

 

システムや製品・部品では「故障モード」と呼ばれますが、人間の作業ミスであれば「エラーモード」、工程における不良現象であれば「不良モード」となります。

 

これらのものを総称して「トラブルモード」と呼ぶならば、「トラブルモード」を事前に摘出・予見することにより、先のFMEAに準じた、より広範囲の意味でのFMEAを行えばよいことになります。

 

HAZOPは化学プラントにおける安全性に影響を及ぼすおそれのある環境要因、工程における問題や安全装置を確認し、評価をするために用いられています。

 

FMEAと同様な手法で、流量や圧力等のパラメータと正しい状態からのズレ(more、less等)を表すガイドワードを組み合わせることによって、潜在的危険の抽出を試みているのがHAZOPの特徴です。

 

 

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