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統計学におけるジニ係数【統計解析講義基礎】 | 統計解析 - Python・R・エクセルを使った講義で最速マスター

統計学におけるジニ係数【統計解析講義基礎】

統計学におけるジニ係数【統計解析講義基礎】


統計学におけるジニ係数【統計解析講義基礎】

 

ローレンツ曲線を描くことは、不平等度や集中の度合いを視覚的に捉える有用な手法ですが、それを数値化した指標がジニ係数(Gini coefficient)です。

 

ジニ係数の定義は、

 

ジニ係数=2×(完全平等線とローレンツ曲線とに囲まれた面積)

 

で与えられます。

 

定義より、

 

0≦ジニ係数≦1

 

であることは明らかです。

 

また、ローレンツ曲線が完全平等線に近いほど、ジニ係数は0に近くなり、逆に、完全平等線から離れるほど1に近くなります。

 

したがって、ジニ係数は0に近いほど平等(集中度が低い)、1に近いほど不平等(集中度が高い)といえます。

 

なお、ローレンツ曲線が1本だけでは集中の度合いが測れないのと同様に、ジニ係数も、複数の値を比較することが重要です。

 

ジニ係数の計算

 

階級幅がn、第i階級の横軸に使われた項目の相対比(相対度数)をpi、横軸に使われた項目の累積相対比(累積相対度数)をqi、縦軸に使われた項目の相対比(相対所得)をriとすると、ジニ係数は以下の公式で計算できます。

 

ジニ係数と橘木・大竹論争

 

所得に関する統計データから日本のジニ係数を計測すると、ジニ係数は80年代以降、おおむね上昇してきており、所得格差が拡大してきているのが数値ではっきり表れています。

 

このことから、日本が「格差社会」に突入したという意見が多く聞かれます。

 

では、なぜ所得格差は拡大してきているのか。

 

しばしば指摘されている所得格差の主因は、高齢化が進んでいることです。

 

すなわち、もともと昔から高齢者間では所得の格差が存在していたのですが、高齢者の割合が年々増えてきたために、所得格差も数値としてはっきりと表れてきました。
また、単身者が増えたことも、ジニ係数上昇の一因として指摘されています。

 

このような指摘は、事実としておおすじ認められていることです。

 

しかしながら、所得格差が深刻であるかどうかについては賛否両論があります。

 

ジニ係数で見た日本の所得格差が深刻であると考える学説がある一方、実は格差は見せかけであるという学説が、2000年半ばごろから唱えられています。

 

両者の対立は、しばしば「橋本・大竹論争」としてマスコミでも話題になりました。

 

深刻であると主張する説として、現在同志社大学の橘木俊詔教授は、高齢単身者という貧困層の増加に注目し、所得格差の拡大を大きく問題視しました。

 

また、橘木教授は、規制緩和が勝者と敗者を生み出し、所得格差の一因になったと主張しました。

 

それに対し、大阪大学の大竹文雄教授は、所得格差の拡大は、世帯構造の変化が主因であり、見かけ上格差が広がっただけで、本来の同世代間の所得構造が大きく変わったものではないと主張しました。

 

また、規制緩和は必ずしも所得格差の拡大をもたらすものではなく、むしろ、格差を小さくする側面がある点に注目しました。

 

一般的には、橘木説は格差が深刻であると解釈され、大竹説は格差が見せかけであるという結論から、両学説の対立が2000年半ばから注目を集めてきました。

 

では、どちらが正しいのでしょうか。

 

正直、どちらの主張も一理あり、どちらが一方的に正しいと判断するのは難しいといえます。

 

ただ、多かれ少なかれ、所得格差がじわじわと広がってきていることは、間違いないようです。

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