変動係数(coefficient of variation: CV)|標準偏差÷平均値:相対的なバラツキ【統計学・統計解析講義基礎】
変動係数(coefficient of variation: CV)とは、平均値を標準偏差で割り算し、その値に相対的なバラツキの感覚を反映させたものである。変動係数=標準偏差÷平均値で、普通はこの値に100を掛け算してパーセントで表す
目次 変動係数(coefficient of variation: CV)|標準偏差÷平均値:相対的なバラツキ【統計学・統計解析講義基礎】
変動係数(coefficient of variation: CV)
もし給料前の財布に千円札1枚しかないとしたら、100円の物を買うのもためらわれます。
しかし財布に1万円入っていれば、100円の物を買うくらいどうということはありません。
100円を1000円で割り算すれば10%ですが、1万円で割り算すると1%にすぎません。
つまりパーセントのほうが、感覚的に受け入れられやすいのです。
これと似たようなことですが、標準偏差が同じであっても、平均値の大きさが違うと、バラツキの大きさの感覚が違ってきます。
平均値が大きいと少しくらいのバラツキはあまり感じないですし、平均値が小さいとその反対に強く感じます。
そこで、平均値を標準偏差で割り算し、その値に相対的なバラツキの感覚を反映させるものとします。
この値を変動係数(coefficient of variation)と呼んで、記号CVで表します。
標準偏差÷平均値:相対的なバラツキ
CV=σ/m
普通はこの値に100を掛け算してパーセントで表します。
標準偏差は金額とか時間とかデータ単位がそのままつきますが、変動係数はすべてパーセントで済ませることができます。
繰り返しますが、平均値1000円に対して、標準偏差が100円である、というよりは、同じことを「変動係数が10%である」と表現したほうが、やはりバラツキの感じとしては受け入れやすい気がします。
なお、評価スコアのような間隔尺度では、平均スコアも間隔尺度になっているので、それで割り算することはできません。
したがって変動係数の計算をすることもできません。
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