調査研究【統計解析講義応用】

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調査研究|【統計学・統計解析講義応用】

調査研究【統計解析講義応用】


目次  調査研究【統計解析講義応用】

 

 

調査研究

 

調査(survey)は,母集団内の変数の頻度,分布,相互関係などに関する情報を得るためにデザインする.

 

10年ごとに行われる米国の国勢調査はその一例である.

 

ギャラップやハリスによる世論調査なども他の例である.

 

通常行われているように,調査で個人の標本をもちいる場合,そのような調査を標本調査(sample survey)〔母集団全体を対象とする国勢調査(census)に対して〕という.

 

調査では,自己報告(self-report)の方法によって標本から情報を得る.

 

つまり,研究参加者は,調査者によってもたらされた一連の質問に回答する.

 

調査は,主に量的なデータを集める傾向があり,それは,横断的であったり,縦断的(例:パネル研究)であったりする.

 

調査研究の最大の長所は,柔軟に広い範囲にわたって実施できることである.

 

多くの母集団に適用でき,広範なトピックに焦点をあてられ,また,得られた情報を多くの目的に使用できる.

 

しかし,大部分の調査で得られた情報は,比較的に表面的になりやすい.

 

人間の行動と感情の矛盾のような複雑さを,深く探ることはほとんどできない.

 

調査研究は,集中的分析よりはむしろ広範な分析に適している.

 

調査は,大規模実験の一環として実施できるが,非実験研究として実施するのが普通である.

 

調査内容

 

自己報告調査の内容は,本質的には,回答者がどの程度そのトピックに関して報告できるか,またその意思があるかということによってのみ決まる.

 

調査は,簡単な回答を求めるような質問(例,はい/いいえ,い゜も/ときどき/まったくない)がほとんどだが,個人に直接に尋ねることによって確実に得られる情報はすべて,調査で集めることができる.

 

しばしば,調査は,人々が何をするか,どのように感じるかに焦点をあてる.

 

つまり,何を食べるか,健康や服薬におけるコンプライアンスにどのように配慮するのか,どのような不安を抱いているか,などである.

 

ある例では,人々が何をしようとしているか,つまり,たとえば,投票をどうしようと考えているかをとりあげる.

 

調査では,人々の知識,意見,態度,価値観に関する情報を収集することもある.

 

調査管理

 

調査データは,数多くの方法で収集できるが,もっとも有力な方法は,個人面接(personal interview ;個人インタビュー)〔または対面面接(face-to-face interview)〕によるもので,面接者(インタビュアー)は,回答者と会って質問をする.

 

一般に,個人面接はかなり費用がかかる.

 

十分な計画と面接者の訓練が必要であり,かなり時間をとられる傾向にある.

 

しかし,個人面接は,その結果として得られる情報の質から,調査データ収集のための最適の方法とみなされている.

 

さらに,個人面接の利点は,面接を断る人が比較的少ないことである.

 

個人面接を行う調査の例

 

ポリヴカ,ニッケル,サルスベリー,カシー,シャピロ,スラック〔Polivka, Nickel, Salsberry, Kuthy, Shapiro,& Slack, 2000〕は,就学前の子どもがいる低所得女性,474人の標本に直接面接を行って,子どもの入院と救急部門の利用に関連する因子を探索した.

 

診療所や福祉事務所で,約20〜25分の面接を行った.

 

電話面接(telephone interview ; 電話調査)は,費用はあまりかからないが,調査情報の収集方法としては効率が劣ることが多い.

 

面接者を知らない場合,回答者は電話では協力しないこともある.

 

しかし,電話は,面接が短く具体的で,あまり個人的内容にかかわらない場合や,研究者が事前に回答者と個人的な接触があった場合,情報を収集できる便利な方法となりうる.

 

次の例のように,低所得者(電話を持っていないかもしれない)や高齢者(聴覚に問題があるかもしれない)のように,あるタイプの回答者には,電話面接はむずかしい.

 

 

電話調査の例

 

ペサタ,パリージヤ,ウェブ〔Pesata, PaVja, & Webb,1999〕は,電話調査(telephone survey)を行い,子どもが診療予約を守らない場合の理由を判断し,ヘルスケアを妨げるものを探索した,

 

調査の標本として,予約を守らなかった経験がある200人の親を選んだ.

 

これら200人のうち約半数(95人)は,電話をもっていなかった.

 

個人面接にかかる費用が高いため,研究者は,調査データを収集するために,混合モード方式(mixed-mode strategy)という方法をとることがある.

 

この方法では,面接者は,まず電話で標本メンバーに面接する.

 

電話調査が成功しなかった場合(電話がない場合や電話での面接を拒否された場合),面接者は,個人面接でデータを収集しようとする(または携帯電話を持って対象の家に行き,個別にその人に電話面接に答えてくれるよう頼む).

 

質問票(questionnaire)は,自分で記入するという点で,面接と異なっている〔これを自記式質問紙法(self-administered questionnaires: SAQ)ということもある〕.

 

回答者は,書面の質問を読み,回答を記入する.

 

回答者の読み書きの能力には差があるので,質問紙は,単に面接項目一覧を印刷しただけのものであってはならない.

 

質問の表現は,明瞭,簡潔,そしてあいまいな点のないように,質問紙を作成するにあたっては細心の注意をはらわなければならない.

 

自記式質問紙法は経済的であるが,ある種の母集団の調査には適当ではない(例:高齢者や子ども).

 

調査研究では,質問紙を郵送によって配布することが多いが,他の方法(例:インターネット)で配信することもある.

 

郵送調査の例

 

ヘイヴンズ〔Havens, 2000〕は,ヘルスケアについての事前指示,つまり,リビングウィルや医療に関する永続的委任状について,その履行と非履行に関連する因子を研究した.

 

質問紙を郵送し,地域で暮らす成人の標本からデータを収集した.

 

ニーズ・アセスメント

 

その名称が示すように,ニーズ・アセスメント(needs assessment)は,研究者が,集団,コミュニティ,組織のニーズを推定するためのデータを収集する研究である.
ニーズ・アセスメントの目的は,特定の介入やアウトリーチ活動が必要か,または,プログラムがそのプログラムから利益を得ると思われる人々のニーズに見合うものかどうかを判断することである.

 

看護教育者は,そのクライエント(学生)のニーズを査定したいだろうし,病院のナースは,自分たちがサービスを行う人々(患者)のニーズを知りたいだろうし,保健師は,ある標的母集団(たとえば,地域の思春期青年)のニーズに関する情報を集めたいだろう.

 

資源には限りがあるので,優先順位を確定するのに役立つ情報は貴重である.

 

ニーズ・アセスメントの方法はさまざまであり,それらの方法は互いに相入れないものではない.

 

キー・インフォーマント・アプローチ(key informant approach ; 主要情報提供者アプローチ)は,集団のニーズを知る主要な立場にある人々から,情報を収集する.

 

このようなキー・インフォーマントとしては,コミュニティの指導者,主なヘルスケア従事者,機関の責任者,その他の有識者が考えられるだろう.

 

データ収集には,ふつう,質問紙法または面接法をもちいる(場合によっては,量的データではなくナラティブな質的情報を収集するために,キー・インフォーマントとの面接を行う).

 

ニーズ・アセスメントには,調査アプローチ(sill-vey approach)をもっともよくもちいる.

 

調査アプローチでは,ニーズ・アセスメントの対象となる集団の標本からデータを収集する.

 

この方法では,特別な専門知識がある人々だけに質問をするのではない.

 

集団やコミュニティを代表する標本に,そのニーズを尋ねることになろう.

 

もう1つの方法は,指標アプローチ(indicators approach)であり,既存の報告や記録において利用できる事実や統計をもとにする.

 

たとえば,ある看護クリニックがそのクライエントのニーズを分析しようとする場合,保管された記録をもとに,5年間の予約数,クライエントの就職率,リスク評価値の変化,支払い方法などを調べることができる.

 

指標アプローチは,データを入手できるので費用効果がよいが,データの組織化と解釈が必要である.

 

ニーズ・アセスメントでは,ほとんどの場合,提言を作成する.

 

ニーズ・アセスメントを行う研究者の役割は,通常,その結果(経費や実行可能性を考えて)に基づいて優先度を判断すること,また,もっとも優先度の高いニーズに対応する方法について助言することであろう.

 

ニーズアセスメントの例

 

パターソン,モイラン,バンノン,サリー〔Patterson, Moylan, Bannon, & Salih, 2000〕は,調査アプローチをもちいて,がん関連情報の5つのタイプ(医学的,心理的など)へのニーズと関心のレベルを調べた.

 

シドニー南西部に住むがん患者の母集団とその家族に,質問紙を配った.ニーズ・アセスメントの結果,がん教育プログラムが開発された.

 

 

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