信頼できない処理の施行【統計解析講義応用】

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信頼できない処理の施行|【統計学・統計解析講義応用】

信頼できない処理の施行【統計解析講義応用】


目次  信頼できない処理の施行【統計解析講義応用】

 

 

信頼できない処理の施行

 

介入が,実際には「机上」で考えたほど強力でない場合,その介入の強さ(したがって統計学的検出力も)は損なわれる.介入が弱くなる要因は多々あるが,その大部分に,研究者がある程度かかわっている.

 

論点の1つは,それぞれの対象が受ける介入が類似している度合いである.

 

標準化(条件の一定性)が欠けているために,無関係な多様性が加わり,介入が十分に力を発揮できなくなる.

 

標準的なプロトコルを使わなかったり,それに従わなかったりする場合は,今述べたような概念を使うことで,介入による変動(つまり分子)が抑えられ,外生因子による変動(つまり分母)が増して,介入は効果がなかったという誤った結論を導く可能性がある.

 

念入りな標準化,スタッフの適切な訓練,介入が計画どおりに実行されているかを確認する慎重なモニタリングが必要であろう.

 

二重盲検法デザインをもちいて,地方に住む女性高齢者において,尿失禁症状を管理する介入を検証した,

 

研究者らは,包括解析の方法をもちいた.実験群の女性たちが研究プロトコルに従うことができなかった場合も,実験群としてあつかった.

 

コントロール群のメンバーが,部分的な介入の技法を知り,その技法を自らに実践した場合も,コントロール群としてあつかった.

 

内的妥当性

 

内的妥当性(internal validity ; 内部妥当性)とは,独立変数が真に従属変数を引き起こし,または従属変数に影響していて,この2者間の関係が,外生変数による見せかけの影響ではない,と推論しうる範囲をいう.

 

コントロールの手段は,いずれも内的妥当性を高めるためのものである.

 

研究者が外生変数を慎重に管理せず,また研究デザインを他の方法で慎重にコントロールしなかったら,測定された対象の従属変数の得点が独立変数によるものであるという結論は批判を受ける理由となるだろう.

 

内的妥当性を脅かすもの

 

真の実験は,高度の内的妥当性を有する.

 

なぜならば,操作や無作為化,コントロール群をもちいるため,通常,研究者は,研究結果に関する他のほとんどの説明を排除できるからである.

 

準実験デザイン,前実験デザイン,または相関デザインをもちいる研究者は,得られた結果に対するいくつかの競合する説明と常に戦わなければならない.

 

これらの競合的な説明〔内的妥当性への脅威(threat to internal validity)〕をいくつかここで検討しよう.

 

 

ヒストリー

 

独立変数と同時期に起こる外的事象が,従属変数に影響しうることをヒストリー(history)による脅威という.

 

たとえば,米国の郡のナース(county-wide nurse)が,農村在住の妊婦に,よりよい栄養摂取,禁煙,早期からの妊娠期ケアなど,出産前の健康に関する実践を促すために,公共福祉プログラムを実施し,その効果を研究するとしよう.

 

福祉プログラム開始前の12か月間に生まれた新生児の平均出生時体重と,プログラム開始後12か月間に生まれた新生児の平均出生時体重を比較して,時系列デザインをもちいて,プログラムを評価したとしよう.

 

しかし,新しいプログラム開始から1か月後に,貧困女性の不適切な妊娠期ケアに関する,誰もがみるようなドキュメンタリードラマが国営放送で放映されたとしよう.

 

新生児の出生時体重という従属変数は,介入とドキュメンタリードラマのメッセージの両者に影響され,2つの効果のもつれを解くことはできない.

 

真の実験では,ヒストリーは,通常,研究の内的妥当性を脅かすものとはならない.

 

なぜなら,外的事象は実験群にもコントロール群にも同じように影響すると仮定できることが多いからである.

 

この場合には,従属変数におけるグループの差は,外生因子による影響に加えての影響をあらわす.

 

しかし,例外もある.たとえば,クロスオーバー・デザインをもちいる場合,外的事象が実験前半(または実験後半)に起こるかもしれず,そうすると,処理は,その事象の影響によって汚染されるだろう.

 

つまり,外的事象と処理Aを受けた人々と,外的事象ぬきで処理Aを受けた人々がいて,同じことが処理Bについてもいえるだろう.

 

選択

 

グループ間に既存している差を起因とする偏り(バイアス)が選択(selection)には含まれる.

 

対象がグループに無作為に割り付けられていない場合,それらのグループが均等でない可能性が常にある.

 

それらは微妙で見分けにくいこともある.

 

グループが均等でないならば,アウトカムの差は,独立変数の影響よりも,むしろ最初から存在する差によって生じたのかもしれない.

 

たとえば,不妊問題を抱える女性が,母親になった女性よりも抑うつになりやすいことがわかったとしても,その違いを生殖上の状態の差によるものであると結論づけることは不可能であろう.

 

2群の女性は,最初から心理的な適応という点で異なっていたかもしれない.

 

独立変数が生じる前に,対測定値,またはデータを収集する最初の時点で測定した他の特性に関して,研究を実施した人としない大を比較する場合に生じる.

 

 

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