介入試験対観察研究【統計解析講義応用】

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介入試験対観察研究|【統計学・統計解析講義応用】

介入試験対観察研究【統計解析講義応用】


目次  介入試験対観察研究【統計解析講義応用】

 

 

介入試験対観察研究

 

ClinicalTrials.govでは,介入試験(interventional study)と観察研究(observational study)との違いについて,以下のように規定している.

 

・介入試験:特定の介入を行うよう定めたプロトコールに従い,研究者が被験者の割付けを行う臨床試験である.

 

被験者に対して,診断,治療,その他の医療的介入が行われる.

 

介入の割付けは.ランダムに行われる場合と,そうでない場合もある.その後被験者に対して追跡を行い,生物医的影響や健康影響の評価を行う.

 

・観察研究:事前に特定した被験者集団に対して.生物学的影響や健康影響の評価を行う臨床試験である.

 

被験者に対して,診断,治療,その他の医療的介入が行われるが,研究者が特定の介入の割付けを行うものではない.

 

この2種類の試験の相違として最も重要な要素は.被験者に対して,試験プロトコールに基づいて.特定の介入の割付けが行われるかどうかという点である.

 

よく誤解されがちな点は,診断的介入を対象とした試験は,介入試験ではないということである.

 

例えば,実験的な診断検査をもって試験をデザインするにもかかわらず,そのような試験を観察研究(observational study)や疫学試験(epidemiological study)であると,研究者が誤って理解している場合がある.

 

このような試験は,行われている診断検査の特徴から,介入試験に区分される.

 

すなわち,被験者は試験プロトコールを実施された結果,介入がなされ,そもそもこの試験に参加していなければ,起こらなかった介入である.

 

同様のことは.承認済みの診断検査(ポジトロン断層搬影法[positron emission tomography. PET]など)を行う試験についてもいえる.

 

被験者が試験に参加していない状況と比較し,高頻度な検査が行われたり,通常とは異なる方法で検査が行われたりする場合,介入試験となる.

 

単一の臨床試験に関する定義

 

ClinicalTrials.govが各臨床試験を登録するのは,一度のみである.

 

しかし,単一の臨床試験とは何かを規定する上で,難しい問題がある.

 

臨床試験の多くは,多施設で共同して行われ,各施設内IRBの審査によっては,施設固有の修正が行われることはあるものの,基本的に単一のプロトコールに基づいて実施される.

 

各施設で得られたデータは,集計の後,解析が行われる.

 

ClinicalTrials.govに対する登録および結果の報告という面では,このような試験は,単一の臨床試験であるため,登録は一度のみされるべきである.

 

しかし,異なる試験施設に関わる複数の研究者が.うっかり別々に登録してしまうことが稀にある(二重登録).

 

このように別々に登録された試験において,主要なデータ項目が微妙に異なっている場合がしばしば起こる.

 

その結果,この2種類(またはそれ以上)の登録データが同じ試験のものかどうかが判然とせず,結果,臨床試験登録制度の主要な機能である一定の条件下で行われる全試験の母集団を特定する,という機能が損なわれることになる.

 

そのため. ClinicalTrials.govでは,不注意により二重登録を防止するシステムが備えられている.

 

また,試験施設側でも, ClinicalTrials.govに情報を提供する担当者を1名指名することによって防止に努めることができる.

 

担当者の指名は,早い時点で行うと共に,臨床試験契約書とプロトコールには,担当者を明記することが望ましい.

 

単一の臨床試験を定める際の別の問題として,初期の研究後も被験者の追跡を行う場合に伴うものがある.

 

特にランダム化が行われないオープン試験でよくみられるデザインだが,試験期間が終了した後も一定期間被験者の追跡を行い,有害事象や有効性データを収集する場合である.

 

このようなデータ収集過程は,当初のプロトコールや解析計画書に基づいて.同じ被験者を対象とすることが多いため.一般的にこのような追跡期問を含めて単一の臨床試験と考えられる.

 

それに対して,同意の再取得を必要となる場合や,当初の試験に参加していなかった患者を被験者とする場合がある。

 

 

プロトコールの重要性

 

多くの科学的研究においては,研究計画やプロトコールに,明確に定義された評価項目を含め,前提となる仮説や方法論を明記することが重要である,

 

統計解析や結論の妥当性は,事前に定められた方法論に従っているかに基づく.

 

そのため,試験の登録に際しては,試験やプロトコールを明確に記載して,データベースや論文に公表された結果が定められたプロトコールと矛盾がないことを客観的に判断できるようにする必要がある.

 

データの更新

 

データは,研究者,参加を考えている患者や社会全般の必要に応えることができるよう,最新のものにしておく必要がある.

 

一部のデータ項目(募集状況,試験開始・終了予定日など)は,時間の経過とともに変更されることが多い.

 

その他のデータ項目であっても,プロトコールの修正(主要評価項目などの変更)に伴い,変更される場合がある.

 

ClinicalTrials.govのデフォルトのページには.最新のデータ項目しか表示されていないが,過去の変更履歴は,すべて一般に公開されているアーカイブ(http://clinicaltrials.gov/archive/)に保存されている.

 

ClinicalTrials.govに結果を報告する手順

 

データ提供者は,少なくとも1つの主要評価項目のデータ収集が終了すれば, ClinicalTrials.govの結果の一部に試験結果をアップロードすることができる.

 

そのためには,事前にプロトコールの登録を完了しておく必要がある(すなわち, ClinicaITrials.govの登録番号を取得しておく必要がある).

 

プロトコールの登録手順と同様に,結果の報告はデータ項目(必須のものと任意のもの)を利用し.ウェブサイトのPRSを介して,対話型データ人力またはXML形式ファイルのアップロードをして行う.

 

結果データベースは,法令に定める要件を満たす他,研究目的にも役立つようにデザインされている.

 

ClinicalTrials.govの結果データベースは,結果の報告に関する最近の基準や慣行(論文出版(journal publication)や当局提出(regulatory submission)に必要となる事項の他,多数の専門家との討議や利害関係者から提出された意見を元にしてデザインされている.

 

標準的データと最小データセット

 

結果の部分には,管理データの他.4種類のデータ区分が含まれる.

 

すなわち,被験者の流れ,ベースライン特性,評価項目および統計解析,有害事象の4区分である.

 

各区分のデータは. ClinicalTrials.govにおいては追加説明なく掲弑されるため,データ自体でわかるように記載されなければならない.

 

 

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