機能的測定値と健康関連QOL測定値の例|【統計学・統計解析講義応用】
機能的測定値と健康関連QOL測定値の例
機能的測定値
健康関連の事象を,個人の価値観にそれほど左右されず,領域に関してそれほど包括的ではない方法で測定し,妥当性,信頼性,感度を揃えた尺度は非常に多く存在する.
これらのうちには臨床試験への適用が可能な場合もあり,ある患者集団に特徴的なニーズに対して,特異度あるいは感度が高いかもしれない.
これらは日常生活動作尺度を含み,通常整容動作(self-care)と移動性(mobility)に焦点をあてている.初期の機能的測定値の1つがBarthel Index (パーセルインデックス)であり,整容と移動における機能的自立の評価に限定して数値化したものである.
これは長期間入院している患者の機能を評価するために開発された.
この指標は10項目の妥当性のある尺度からなり,広く活用されている.
また.機能的自立度評価法(Functional Independence Measure, FIM)を含めた他の機能的評価の開発のための基礎として役立ってきた.
米国で最もよく使われる機能的アウトカム指標は,機能水準と退院後の介護の負担について評価する.
FIMは7段階の評価,患者の障害とリハビリテーションの機能転帰を測定する18項目でデザインされている.
この方法は,多くのリハビリテーション施設で使用され,介護者の負担とADLに関する信頼性が高く,有効な情報を提供すると考えられている.
また,コミュニケーション能力と社会的認知も測定するが.他の標準的な尺度より感度は低い.
健康度評価質問票(Health Assessment Questionnaire, HAQ)は,障害を測定するものとしてデザインされており,整容行動と移動性を測定するので,機能的測定値として認められている.
また,治療の副作用や疾患による経済的影響についての質問も含むので,健康関連QOL尺度として用いられてきた.
いくつかの尺度は,社会的健康、精神的健康、生活の満足度など,1つの領域のみを測定する.
多くは,うつ病などの特定の症状や,精神状態のような特定の機能の評価に適用できる.
疲労.痛み,全般的健康を測定するために使われる視覚的アナログ尺度(visual analog scale. VAS)もある.
これらの尺度に関しては,優れたレビューが報告されている.
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