MRCの特徴|【多変量解析・統計学・統計解析】
MRCの特徴
高速で演算を行うためのコンピュータの発展と普及によって,データ分析手法の広い範囲で. MRCの人気がうなぎ上りだ。
MRCはいまや,さまざまな研究デザインやリサーチクエスチョンに対するデータ分析として,一般的で応用しやすいものとなっている。
たとえば,独立変数は連続的でもカテゴリカルでもいいし,自然発生的問題でも実験的操作でもいいし,相関していてもしていなくてもいい。
さらに独立変数と従属変数との関係は線形でも曲線形(非線形)でもよいのである。
重回帰/多重相関は,2つの変数しか扱わない二変数の(単純な,ゼロ次の,ともよばれる)回帰/相関と密接に関係している。
実際. MRCは多変量を扱う二変数の回帰/相関の拡張であるとする見方もある。
他の多変量手法にカテゴライズされることもあるが. MRCはおそらく一変数の分析手続きに分類するほうがより正確である。
なぜなら,従属変数が1つしかないからだ。
いろいろな憲味で多要因ANOVAと一要因ANOVAの関係が. MRCと二変数回帰/相関との関係に対応する。
すなわち,二変数回帰/相関と一要因ANOVAは,どちらもlつの独立変数と1つの従属変数をもつものだ。
MRCと多要囚ANOVAは多くの独立変数をもつにもかかわらず,従属変数は1つのままである。
正準相関分析など,複数の従属変数を使用するようなMRCの真の多変量拡張についての議論もある。
二変数・多変数の回帰/相関を使った研究を2つのタイプに分割してみよう。
@応用的な状況で,実際の意思決定を目的として行動や出来事の予測をしようとしているもの。
A理論の検証や発展のために,現象の本質を理解したり説明したりしようとしているもの。
予測と説明は科学の基本的な目的であり,分離不可能な概念である。
したがって。研究の目的が説明するために与えられた情報から予測することになったり,その逆であったりする。
予測と説明の違いを,なんらかの人工的な違いで分けることでこの2つの目的別にMRCの解釈を検証するといいだろう。
続く2つの節では,実用的予測と理論的説明について,それぞれの目的のためのMRCの使用を要約しながら説明する。
それらの要約の中には,論文から引用した実例に基づいた手続きと概念の概要が示されている。
これらの例はMRC分析の結果の説明と解釈にも用いられる。
それぞれの目的におけるMRCの使用に関する要点を簡潔に示している。
方法論的かつ概念的ないくつかの重要な議論は,結果と解釈の説明の複雑さを最小限にする。
これらの論点は「方法論についての総合考察と仮定」で論じられる。
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