評価項目の決定|【統計学・統計解析講義応用】
評価項目の決定
大規模実践的試験の複雑さの1つは.盲検化ができない,または適さない場合に生じる.
バイアスの可能性を最小化するため,(医師が患者の治療を特定できないように)ランダム化か適切であり,評価項目が公正に得られていることを保証するためのあらゆる努力が必要となる.
評価項目の確認するために,施設における盲検下での評価と施設の判断とは独立した盲検方法により客観的なデータをレビューすることができる臨床イベント評価委員会(clinical events adjudication committees)を含める.
多くの重要な評価項目(死亡以外の)は判断が必要となるため,治療を盲検化しない試験において,評価項目のバイアスの入らない評価が非常に重要となる.
この点は,心血管装置の試験において明確になってきている.
盲検化試験においてさえ,心筋梗塞,再発性虚血および新たなまたは再発性の心不全の評価項目は,多くの場合,独立した判断が有益であると考えられるという主観的な考えのもと記録されている.
同様の問題が,がんの進行およびうつ病の重症度の決定時に存在する.
介入の強さ
治療の介入が試験されるとき,常に,その強さが適切かどうかについて考慮しなければならない.
この問題は,薬物の投与時に明らかに生じる.直接トロンビン阻害薬の試験では,ヒルジンの2倍量投与のエラーにより,頭蓋内出血のリスクを顕著に増加させる.
おそらく,より重要なことは,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time, aPTT)の標的範囲が,ヘパリン療法で穏やかに増加したとき,実際に観察されたaPTTは8秒しか増加しなかったけれど,ヘパリンの頭蓋内出血率は,許容不可能な範囲まで増加したことである.
ヒルジンとヘパリンの用量の補正により,2つの物質が臨床結果の許容範囲に入った.
この同様な問題は,行動介入(behavioral intervention)または政策介入(policy intervention)にも存在する.
終末期の意思決定に役立つ,予後および標準の情報であるSUPPORT研究(Study to Understand Prognoses and Preferences for Outcomes and Risks of Treatments)では,おそらく,介入の強さは真に医師に影響を与えるのに十分ではなかったため,行動を変えることはできなかった。
主要な戦略的問題は.大規模実践的試験に投資する前に,最も効果的であろう介入の強さを決めるための適切な説明的試験を如何にデザインするかということである.
この問題のため,最近実施された心房細動における脳卒中を防ぐためのダビガトラン(dabigatran)のRE-LY試験のように,実践的試験では治療の2つ以上の用量または強度を評価することが重要であるかもしれない。
2つの用量における治療効果の勾配は,専門家たちに,観察されたワルファリンに対する効果についてますます自信を与えることになり,当局の承認と広範囲の適用につながった.
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