延長臨床試験【統計解析講義応用】

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延長臨床試験【統計解析講義応用】


目次  延長臨床試験【統計解析講義応用】

 

カサンドラの比喩

 

ウイルスの増殖を防ぐ化合物についての議論や、抗ウイルス療法の効果に関する不安、そしてFIAUという化合物の最終的な試験結果について:

 

「トロイアの王プリアモスと女王ヘカベの娘で,滅亡を予言したが無視された,神話に出てくるカサンドラのようなものである.」

 

この比喩は、何か重要なことを予言しても無視される状況を指しています。

 

おそらく、ウイルスの増殖を妨害する化合物の可能性についての予測が、初めは無視されていたことを示しています。

 

アシクロビルの言及

 

「抗ウイルス療法の実効性に対する根強い不安感は,アシクロビルの合成によりすぐに拭い去られた.」

 

アシクロビルは、ヘルペスウイルスなどの感染症に使われる有効な抗ウイルス薬です。

 

その合成によって、抗ウイルス療法の効果に対する不安が軽減されたことが述べられています。

 

未知の作用機序

 

「しかし,極めて重要な細胞増殖過程におけるヌクレオシドおよびその他の類似体による作用機序については,わかっていなかった(そして未だにわかってはいない).」

 

抗ウイルス薬の中には、ウイルスのDNA合成を阻害するヌクレオシドやその類似体が含まれますが、その作用機序が未だ解明されていないことが述べられています。

 

FIAUの試験結果

 

「この未知のことが,致命的となりうることがFIAUの最後の試験で示された.」

 

FIAUは、かつてがんやウイルス感染症の治療における候補として研究されていましたが、その後安全性の問題が浮上し、試験が中止されました。

 

この文章では、FIAUの最終的な試験結果が、未知の作用機序が致命的なリスクをもたらす可能性を示していることが述べられています。

 

延長臨床試験

 

1993年初頭、FIAUに対する期待は非常に高かった。

 

経口投与で主要なヒトウイルスの血中レベルを抑制でき、市場の需要が大きいと見込まれていました。

 

Oclassen PharmaceuticalsはFIAUの開発には大規模で高額な臨床試験が必要であるとして、援助を求めました。

 

その中で、世界的な製薬企業であるイーライリリー社がFIAUの試験をリードすることが選ばれました。

 

リリー社の計画は、FIAUを錠剤として製剤化し、投与期間を1年間に延長し、米国やアジアで試験を拡大することでした。

 

しかし、NIHは別の6ヶ月間の投与試験を行う必要があると考え、1993年3月にその試験を開始しました。

 

この試験では、HBV感染以外の問題のない24人の患者に対し、0.1または0.25 mg/kg/日の投与が設計されました。

 

投与後8?10週間後、数人の患者が嘔気や疲労を報告し始め、プロトコールに従って減量または中止されました。

 

最初の登録患者の一人は、投与後4週間後に感覚異常を認識しました。

 

神経伝導検査は正常でしたが、FIAUの用量を減量しても症状が持続し、投与を中止しました。

 

その後、患者の症状は悪化し、最終的に死亡しました。

 

他の参加者も様々な毒性徴候を示し、数人が死亡しましたが、いくつかは緊急肝移植によって生き残り、他の数人は完全に回復しました。

 

結局、FIAUの投与は安全でないことが明らかになりました。

 

 

FIAUの毒性

 

患者の衰弱の原因は、続く2年間にわたり、多くの施設の共同研究者チームによる分子生物学、生化学、毒性学、動物モデル試験により、次第に明らかになりました。

 

急性反応の性質は、この詳細な研究に重要な糸口を提供しました。

 

FIAU投与を受け死亡に至った患者は、血中乳酸濃度を大きく上昇させ、血液pHが7.0を下回ることも数回ありました。

 

肝不全は、低アルブミン血症、低プロトロンビン血症で示される肝細胞合成機能の完全な喪失、さらにアミノトランスフェラーゼ濃度のわずかな増加しか伴わない死亡直前のビリルビン20 mg/dLへの増加という特徴がありました。

 

血清アミラーゼの上昇とともに、血清リパーゼ濃度が上昇しました。

 

世界中の専門家に相談し、アドバイスを得るためいくつかの特別委員会を召集し、この経過を改善するために有用と考えられる治療をすべて試みましたが、ほとんど奏効しなかった。

 

毒性はヌクレオシド誘導体から生じたとも考えられ、細胞内の合成経路からFIAU分子を除去するため、チミジンおよびウリジンを静注しました。

 

アシドーシスを改善するため、高用量のテキストロースおよび大量の重炭酸塩を静注しました。

 

また、ある日の夕方遅く、1人の被験者における肝不全治療のため、FDAから実験的装置を使用する許可を得ました。この装置は毛細管チューブ内で肝芽細胞腫200 gを増殖させたカラムで、人工肝臓としての試験の最も初期段階のものでした。

 

ドナー肝臓を待つ間、この装置にて体外循環を行いました。

 

それにもかかわらず、この患者は死亡しました。現在でもなお、これらの最終的な治療法のいずれかが有用であったという確信はありません。

 

命を助けることができたと確信している唯一の治療法は、肝移植でした。これは5例で試みられましたが、3例は、実施された時点であまりにも病態が悪化していました。

 

移植第1週を乗り越えたのは2例だけであり、この2例は全く正常な肝機能を示し、少なくとも数年間生存しました。

 

 

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