さまざまな目的に応じた量的研究【統計解析講義応用】

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さまざまな目的に応じた量的研究|【統計学・統計解析講義応用】

さまざまな目的に応じた量的研究【統計解析講義応用】


目次  さまざまな目的に応じた量的研究【統計解析講義応用】

 

 

さまざまな目的に応じた量的研究

 

すべての研究は,実験デザイン,準実験/前実験デザイン,非実験デザインのいずれかに分類される。

 

ここで説明する研究は,通常,量的方法であるが,ある種の研究(例:評価研究)では質的方法をもちいる場合もあることを覚えておくことが重要である.

 

実験デザインや準実験デザインでよく行う研究

 

研究の妥当性を得るうえでの論点

 

研究者は,4種すべての研究の妥当性に関して,強力な研究をデザインするよう心がける.

 

しかし,ある状況では,1つの妥当性を確保するために,他の妥当性を得る可能性を犠牲にしなければならないこともある.

 

たとえば,研究者が,研究の内的妥当性を高めるために等質性をもちいるとしよう.

 

等質な標本抽出を行って外生変数をコントロールすると,研究者は内的妥当性を強化できるが,外的妥当性(つまり,興味ある母集団全体に研究結果を一般化すること)を限定することになる.

 

別の例としては,研究者が内的妥当性を最大にしようと,条件を一定にして高度に研究をコントロールした場合,環境がきわめて人工的になり,研究結果をさらに自然な環境へと一般化できる可能性が脅かされる.

 

このように,いくらか表面上は現実性を保ちながら,十分なコントロールを導入するという妥協が,通常,実験デザインまたは準実験デザインをもちいることで解決する.いいかえると,これらの研究では,介人の効果を判定するために介人を検定する.
臨床試験
 臨床試験(clinical trial)は,臨床的介人の効果を査定するようデザインされた研究である.臨床試験に関する方法は,医学および疫学的研究に益するよう発展してきたが,看護介人を検定するためにこれらの方法をもちいるナース研究者が増えている.

 

手段として,研究が行われる条件の一定性を維持しようとする.

 

・対象に本来備わっている特性をコントロールする理想的な方法は,対象を集団に無作為割り付けすることで,可能なかぎりすべての外生変数を効果的にコントロールできる.

 

・対象に複数の処理を行い,対象者自身をコントロール群とする研究方法もある.

 

クロスオーバー(反復測定)デザインは,キャリーオーバー効果の可能性ゆえに,適さない場合もある.

 

・3番目のコントロール技法は,等質性である.これは,研究結果に影響しうる特性に関する変動を排除するために,等質な対象標本をもちいる.

 

・乱塊法の場合のように,外生変数を,独立変数(ブロック変数)として研究のデザインに組み込むこともできる.

 

・マッチングは,対象を(ペアマッチングまたはバランスグループを使って)1つまたは複数の外生変数に関してマッチングすることで,集団を比較できるようにしようというものである.

 

・もう1つの技法は,統計学的コントロールによって外生変数をコントロールするものである.このような手順の1つが,共分散分析である.

 

・等質性,ブロック化,マッチング,統計学的コントロールには,研究者がコントロールすべき変数を事前に知らなければならないという短所がある.

 

・量的研究の厳密性に影響する4種の妥当性には,統計学的結論妥当性,構成概念妥当性,内的妥当性,外的妥当性がある.

 

 

臨床試験の初期相の例

 

シュッタとバーネット〔Schutta & Burnett, 2000〕は,がん治療のために臨床試験を行い,試験の実行可能性の査定に役立つデータを集めた.

 

研究者は,患者がどのような因子の影響を受けて,研究の第1相に参加しないことを決めるかに焦点をあてた.

 

・第V相:第m相は,治療の完全実験テストであり,実験群またはコントロール群(または処理条件の順序づけ)への無作為割り付けを含む.

 

この相の目的は,革新的治療法が標準治療(または別の反事実条件)よりも効果があるかどうか,判断することである.

 

しかし,治療効果のデータ以外に,安全性と副作用についてのデータを収集することもあろう.

 

どの実験デザインも,この相で使うことができる.

 

看護文献で臨床試験という用語を使う場合は,無作為化臨床試験(randomized clinical trial:RCT)を指すとともに,この第V相試験を指すことがもっとも多い.

 

第V相臨床試験は,単一状況よって結果が独自のものにならないことを保証し,標本数を大きくし統計学的検定の検出力を高めるために,多数の地理的に分散した場所から選ばれた,広範で異質な対象標本をもちいることが多い.

 

多施設(多地点)臨床試験(multisite clinical trial)は,管理上課題が多く,コミュニケーションやスタッフの指揮,データ管理についての優れたシステムと強い監視が必要である.

 

・第IV相:試験の第IV相は,革新的治療法を採用すると決定したのちに行う.この相では,介入による利益と副作用など,主として長期的な影響に焦点をあてる.

 

この相は,非実験デザイン,前実験デザイン,または準実験デザインをもちいる(真の実験デザインを使うことはあまりない).看護においては,第IV相の研究が運用プロジェクトの一部となることもある.

 

多施設無作為化臨床試験の例

 

十分に検定された禁煙介入をもとに開発された.Womens Initiative for Nonsmoking (WINS : 禁煙をめざす女性イニシアティブ活動)というナース管理による介入を,とくに女性の必要性に合わせて調整した.

 

サンフランシスコ地域の10病院が,この試験に参加した.

 

3か月の実験条件群または「通常のケア」群に,各病院の対象を半数ずつ割り付けた.

 

ベースライン測定から6か月後,12か月後,24か月後,30か月後に,追跡データを収集した.

 

 

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