測定尺度|【統計学・統計解析講義応用】
測定尺度
標本の結果を評価する際に用いる物差しのことを測定尺度といいます。
測定尺度には、数値で表すことが難しい定性的尺度と数値で表すことができる定量的尺度があり、定性的尺度には名義尺度、順序尺度の2つ、定量的尺度には間隔尺度、比尺度の2つがあります。
名義尺度とは、性別、血液型のように優劣がつかない、分類のための尺度です。
たとえば、アンケートで、「あなたの血液型を教えてください」という項目があれば、選択肢は1. A型、2. B型、3. AB型、4. O型の4つになりますが、選択肢の頭についている数字は便宜上使用しているだけで、優劣の関係は存在しません。
順序尺度とは、5段階評価などのように、数値ではないが優劣の関係が存在する尺度です。
定性的尺度を数値で表すことが難しいともいえますが、それは、試験の成績評価などで日常的に数値として用いているからです。
一般に、大学の成績評価は、90点以上を秀、80点から89点を優、70から79点を良、60から69点を可、59点以下を不可とすることが多いです。
しかし、この5段階評価の数字は、秀を5に、つまり、定性的尺度を便宜上、数字に置き換えただけです。これをダミー変数といい、血圧などの数値とは区別します。
たとえば、アンケートで「当薬局のサービス全体に対する満足度を教えてください」という項目があれば、「1. 不満足」「2. やや不満足」「3. どちらでもない」「4. やや満足」「5. 満足」のように優劣の順序がある尺度を意味します。
優劣の順序は明らかに成立しますが、身長や体重の差や比のようにどの程度の差や比があるかを明確に示すことはできません。
「4. やや満足」は「2. やや不満足」に比べて満足度が2倍高いとは表現できません。
間隔尺度とは、「血圧」「温度」のように連続した数値で表される尺度です。
間隔尺度の中で、温度には「−(マイナス)」が存在しますが、血圧にはそのような概念が存在せず、0を起点とする数値です。
順序尺度の誤った使用例
順序尺度を使ったアンケートの学会発表で、誤った使用例をよく目にします。
それは、5段階評価のアンケート項目で、イベント前後の結果を比較して、イベント前の平均値が2、イベント後の平均値が4だった時に、2倍に上昇したなどの報告です。
これは、順序尺度を比尺度のように扱っているために起こる誤った使用例です。
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