日本企業統計で読む景気と投資動向【ChatGPT統計解析】
現在、日本の企業に関する統計調査には法人企業統計調査(財務省)、個人企業経済調査(総務省)、法人企業景気予測調査(内閣府・財務省)などがあり、これらは標本調査として実施されている。事業所・企業統計調査(総務省統計局)は、事業所ベースの調査結果を企業単位に集計し、企業経営の基礎データを提供している。法人企業統計調査(財務省財務総合政策研究所)は、企業の付加価値額や設備投資の動向を把握し、財政金融政策の基礎資料として用いられている。発表は四半期別と年次別で、企業の資本金規模に応じて標本法人を選定している。法人企業景気予測調査は、企業の設備投資計画や景気判断を調査し、投資動向や景気動向の指標として活用されている。回答結果には景気判断が反映されるため、分析には注意が必要で、経済産業省や日本銀行の調査結果と比較することが重要である。
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企業に関する統計
企業に関する統計
現在,企業を単位とした統計調査として,法人企業統計調査(指定統計:財務省),個人企業経済調査(指定統計。総務省),法人企業景気予測調査(内閣府・財務省)などがある。
これらはいずれも標本調査である。
経済産業省企業活動基本調査(指定統計:経済産業省)は経済産業省が所管する産業に属する企業に関する調査である。
また東京・大阪・名古屋の証券取引所に上場されている企業に報告が義務づけられている有価証券報告書をもとに作成される。
わが国企業の経営分析(経済産業省)も日本企業の経営の実態を把握できる貴重な統計である。
企業に関する主な統計
事業所・企業統計調査(総務省統計局)
事業所・企業関係の各種統計調査の基礎となるのが,総務省統計局の行っている『事務所・企業統計調査』である。
企業は1つまたはそれ以上の事業所の集団である。
資本効率や利潤率など企業ベースのデータを見ようとする場合は企業統計が必要である。
そこで事業所統計調査では1960年から事業所ベースで調査した結果を企業単位に集計し直している(会社企業に関する集計)。
また,近年の企業活動の多角化,企業再編の活発化などを踏まえて, 2001年調査では,企業に関する項目の充実が図られている。
法人企業統計調査(財務省財務総合政策研究所)
財政金融政策の基礎資料として重視されているのが財務省財務総合政策研究所で行われている『法人企業統計調査』である。
ここでは企業が新たに生産した価値,付加価値額を集計している。
また,企業の設備投資の動向をつかむことができる。
法人企業統計調査は,企業経営の実態をつかむため,金融及び保険業を除く全国の営利法人を対象に実施している調査である。
業種別・規模別法人分布状況や資産・負債構成,損益状況など企業経営の動向等,国全体の生産活動の傾向を読み取ることができ,財政金融政策の基礎資料となっている。
発表周期は,毎年1−3月,4−6月,7−9月,10−12月の四半期別(季報)と年次別(年報)がある。
四半期別は次の四半期の最終月に,年次別は次年度の9月にそれぞれ発表されている。
年次別については財務省が編集,発行する「財政金融統計月報」の8月号で特集し,紹介している。
調査する法人(標本法人)は,金融・閖険業を除く営利法人(合名・合資・有限及び株式会社)を資本金によって9階層に分け,一定の抽出率(ただし,10億円以上は全社)で無作為に選定されている。
年次別は標本法人全社の確定決算に基づき,財務関係の計数を集計している。
また,四半期別は資本金1,000万円以上の標本法人の仮決算に基づき,財務関係の計数を集計している。
資本金各階層の標本法人は原則として1年間固定している。
法人企業統計の特微
法人企業統計には,以下のような特微がある。
景気動向は,全産業の経常利益で確認できる。
各決算期中に企業が求業活動によって上げたもうけを示すのが経常利益である。
営業利益だと,売上高から売上原価や一般管理費,販売費用を差し引いたもうけなので,ヒト,モノの動きが反映されてはいるが,カネの動きが含まれていない。
最近は財務の時代ともいわれ,受取利息・配当金から支払利息・手形割引料を差し引いた金融収益も企業の事業活動の善し悪しを計るモノサシの一つになっている。
こうした理由から,金融収益を含めた経常利益が注目されている。
一般に,全産業の経常利益合計が前年度あるいは前年同期に比べ増加していれば,景気が上昇に向かったことを,逆に減少していれば,景気が下降したことをそれで確認できる。
この際前年同期に比べての企業物価指数の上昇率を上回っていれば,企業収益の向上が本物といえるし,企業物価指数の上昇率の範囲であれば,インフレ分だけ企業収益が水膨れしたものといえなくもない。
設備投資は企業が需要の先行きを見込んで実施
経常利益が企業の事業活動による成果を示すのに対して,設備投資や在庫投資は主に,企業がそれぞれ需要の先行きを見込んで実施している。
景気が後退している場面で需要の増加が見込めないときは,設備投資や在庫投資は手控える。
逆に,景気の上昇が期待され,需要の増加が見込めるなら,設備投資や在庫投資も活発化すると見てよい。
法人企業統計では,設備投資を調査対象期間中(年次別ならその年度1年間)の土地を除く有形固定資産の増加額,ソフトウェア増加額及び減価償却費の合計として調査集計している。
在庫投資は調査対象期間中の棚卸資産(製品・商品,仕掛品,原材料・貯蔵品の合計)増加額として調査集計している。
しかも,いずれも業種別,資本金規模別に調査集計している。
このため,どの業種が需要の先行きについて強気の見方をしているか判断できる。
たとえば,景気が停滞しているといわれている中で,前年度あるいは前年同期と比べ設備投資が急増している業種があれば,その業種が景気回復の牽引車になると見てよい。
資金関連項目から資金概要が把握できる
国が財政金融政策を運営するうえで参考になるもののーつとして資金需要の状況がある。
これは調査対象期間中の固定資産,卸売資産,企業間信用の増加額を集計したものである。
企業間信用は,受取手形,売掛金,受取手形割引高を合計したものから支払手形と買掛金を差し引いて算出している。
たとえば,資金需要があると判断できれば,公定歩合引き下げをはじめとする財政金融政策も効果が大きいと見ることができる。
1億円未満の企業約12,000社に対して実施していた景気予測調査を統合したものであり, 2004年4−6月期調査から資本金1,000万円以上の営利法人を対象範囲として,約15,000法人について調査を行っている。
この調査は法人企業の設備投資(工事ベース)の計画,実績を調査して投資の動きをきめ細かくとらえるとともに,経営者の景気,経営に対する判断と見通しをさぐり,景気動向の重要な予測指標の一つとなっている。
発表周期は四半期(5, 8, 10,翌年2月に調査)であり,翌月に「法人企業景気予測調査報告」(内閣府・財務省)として発表される。
また,調査方法は調査法人の自己申告が原則となっている。
法人企業景気予測調査には,以下のような特徴がある。
@正確にいち早く投資動向かつかめる。
他の調査機関よりも対象社数が多く,しかも,資本金50億円以上の企業は全数調査なので大企業の設備投資の実態をほば正確に把握できる。
また,四半期ごとの調査であり,かつ3四半期(実績見込み,計画の修正,計画)の予測が発表されるので,先行きの動きを比較的早く知ることができる。
A設備投資の動きを立体的につかめる。
生産設備と在庫水準の判断調査も行っている。
その方法は生産設備,在庫水準の過不足感を3段階に分けた選択肢から選んでもらい,たとえば過大と判断した社数,不足と判断した社数を全調査対象企業数で割り構成比にして示している。
このため,この枇成比を分析することで,企業が設備投資や在庫投資をどう考えているかを知ることができる。
B回答のクセに注意を要する。
回答には,それぞれの企業の景気判断が色濃く表れている。
このため,好況期にはおおむね実績値が計画値を上回り,不況期には逆に下回る傾向がある。
この調査にも,こうしたクセがある。
たとえば,計画値は先のものほど曖昧な情報に基づいで判断するわけであるから,“少なめ”に計画されており,実績見込みは豊富な情報で判断するため,やや高めとなっている。
また,実績はデータの整理上の都合もあって実紋見込みより低めに出る。
C経営の見通しを判断指標で表示している。
調査は設備投資の動向のほか,企業経営者の景気,需給,自分の企業の経営の行方に対する見通しを判断指数(Business Survey Index : BSI)で示す。
BSIはそれぞれの項目について「上昇(増加)の割合」から「下降(減少)の割合」を引いたものである。
BSIがプラスのときは,経営者は景気については上昇感,需給見通しについては需要拡大感をもっていることを表している。
Dこの調査のほか,設備投資については経済産業省,日本銀行なども定期的に調査,分析している。
それぞれ,対象企業や重点の置き方が異なるとともに,特色もあるので比較吟味することが大切である。
現在、日本の企業に関する統計調査には、多様なものが存在しており、これらは企業活動の実態や経済動向を把握するために重要な役割を果たしている。代表的な調査としては、法人企業統計調査(財務省)、個人企業経済調査(総務省)、法人企業景気予測調査(内閣府・財務省)などが挙げられる。これらの調査はすべて標本調査であり、日本の経済を支えるさまざまな産業や企業の経営状況を詳しく把握するために実施されている。たとえば、経済産業省企業活動基本調査は、経済産業省が所管する産業に属する企業を対象にした調査であり、東京・大阪・名古屋の証券取引所に上場している企業に義務付けられている有価証券報告書をもとにデータが作成されている。このような調査は、日本企業の経営実態を把握するうえで貴重な統計情報を提供している。さらに、総務省統計局が行う事業所・企業統計調査は、事業所をベースとした調査結果を企業単位に集計し直すことで、企業に関する基本的な統計データを提供している。企業は複数の事業所から構成されることが多いため、資本効率や利潤率などを企業単位で正確に分析するためには、こうした調査が欠かせない。事業所・企業統計調査は、1960年から事業所単位でのデータを企業単位に再集計しており、企業の多角化や再編が進む現代の経済環境にも対応するため、2001年には調査内容をさらに充実させた。法人企業統計調査は、財務省財務総合政策研究所が実施するもので、財政金融政策の基礎資料として重視されている。この調査では、企業が新たに生み出した付加価値額や設備投資の動向を集計しており、金融業や保険業を除く全国の営利法人が対象となっている。業種別や規模別に企業分布状況や資産・負債構成、損益状況を分析することで、企業経営の実態を詳細に把握することができる。法人企業統計調査の発表は、四半期ごとの季報と年次別の年報があり、季報は次の四半期の最終月に、年報は次年度の9月にそれぞれ公表される。この年報は財務省が編集・発行する「財政金融統計月報」の8月号で特集されることが多い。調査の標本法人は、資本金別に9つの階層に分けられ、資本金10億円以上の法人については全数調査を行い、それ未満の法人については一定の抽出率で無作為に選定されている。年次別調査は標本法人全社の確定決算をもとに財務データを集計し、四半期別調査では仮決算に基づいて財務データを集計している。法人企業統計の特徴としては、景気動向を全産業の経常利益を基に把握できる点が挙げられる。経常利益は、企業の事業活動全体から得られるもうけを示す指標であり、営業利益に金融収益を加えたものとして注目されている。特に、景気が上向いているときには経常利益が増加し、逆に景気が下降している場合には減少する傾向がある。また、法人企業統計では設備投資や在庫投資についても調査を行っており、設備投資は調査期間中の土地を除く有形固定資産の増加額、ソフトウェア増加額および減価償却費の合計として集計されている。これにより、企業が需要の先行きをどのように見込んでいるかを判断することができ、どの業種が景気回復を牽引する可能性があるのかを把握する手がかりとなる。たとえば、景気が停滞している中で、特定の業種で設備投資が急増している場合、その業種が経済全体の成長を促進する要因となると考えられる。一方、法人企業景気予測調査は、設備投資や景気に関する経営者の見通しを調査するものであり、景気動向の重要な予測指標として活用されている。この調査は、資本金1000万円以上の営利法人約15,000社を対象に行われ、法人企業の設備投資計画や実績を細かく把握することが可能である。また、調査結果は企業の自己申告に基づいており、四半期ごとに発表される。法人企業景気予測調査の特徴としては、大企業の設備投資実態を正確に把握できる点や、設備投資動向を立体的に捉えることができる点が挙げられる。さらに、企業経営者の景気や需給に対する見通しを判断指数(BSI)として表示しており、BSIがプラスであれば景気に対する楽観的な見方を、マイナスであれば悲観的な見方を示している。このように、日本の企業統計は多様な側面から企業活動を分析するための基礎資料を提供しており、経済政策や企業経営の意思決定において重要な役割を果たしている。
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