並行群デザイン【統計解析講義応用】

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並行群デザイン|【統計学・統計解析講義応用】

並行群デザイン【統計解析講義応用】


目次  並行群デザイン【統計解析講義応用】

 

 

並行群デザイン

 

並行群デザイン(parallel group design)においては,被験者はいくつかの可能な治療法のうちの1つにランダム化される.

 

治療法が共通の反応またはアウトカムに与える効果を比較することに興味が向けられる.

 

それらの群のうちの1つはプラセボ群(偽薬に割り当てられた群)かも知れないし,対照群(標準的または代替治療)かも知れない.

 

反応に与える効果は患者特性のベースライン測定値で調整され得るだろう.

 

難治性部分てんかんの治療に対してフェルバメート単剤療法の臨床試験が,2つの群の並行群デザインで実施された.

 

この試験の応答は2週間の追跡期問全体における毎日の発作頻度の平均値だった.

 

さらに,二重盲検ランダム化並行群デザインは,他のすべてのデザインと比較して「最もすぐれたもの(gold standard)」である.

 

それは,臨床的な疑問に対して決定的な回答に到達する理想的な試験であり,大規模で最終的な臨床試験に対して選択されるデザインであることが多い.
このデザインの課題は,大きな標本サイズを要求することが多いということと,そのために大量の資源を必要とすることである.

 

 

逐次試験デザインと中間解析

 

逐次(sequential)試験においては並行群が試験されるが,期間が固定された期間ではなく,むしろ,一方の治療群に明確な便益が見られるまで,または差が明らかになる可能性が極めて低いとわかるまでである.

 

このような試験は,一方の治療法が他方に比べてずっと効果があるときには,期間が決まっている試験よりも短くなる傾向がある.

 

群逐次(group sequential)試験21においては,観察値のいくらかの割合,被験者または事象において期待される総数のうちの4分の1および2分の1,4分の3など,が集められた後および試験終了時にもう一度だけ,データ解析される.

 

一試験中に主たるアウトカム変数を複数回データ解析することを中問解析(interim analyses)と呼ぶ.

 

群逐次試験は,期間と患者数について計画する上で逐次試験よりも容易であり,また一方の治療法が他方に比べてずっと効果があるときには早期に中止され得る.

 

すべての試験は,治療法による有害性のエビデンスが現れたら早期に中止することに対する仕組みを持たなければならない.

 

また,試験は無益であっても中止してもよいが,そこでの無益とは,治療効果が肯定的であるという結果が試験の終了時に出現する可能性がないことと定義される.
有効性または無効性に対してどのように中間解析を計画するかについては,統計家に相談すること.

 

群ランダム化試験デザイン

 

群ランダム化(group randomized. クラスターランダム化cluster randomized としても知られている)試験は,ランダム化の単位が個体ではなく,何種類かある中のある群であるような試験である.

 

そのような群としては,学校,診療所,職場,コミュニティなどの単位があるだろう.

 

治療法への群ランダム化は,介入が環境に影響するなど個体レベルで介入を行うことが困難なときに有効な戦略であり得る.

 

例えば,スーパーマーケットの環境を変えることによって食事のパターンを変えようとする介入を考えてみるとよい.

 

その介入処置は個人に別々に実現させることができないため,そのような試験にはそれらのスーパーマーケットを利用するコミュニティを群ランダム化することが適切であろう.

 

群のメンバーは個人単位で観察・測定されるのであるが,群は多数のメンバーを含むことが多いため,各条件にランダム化される群の個数は通常少ない.

 

ランダム化される群の個数が少ないことは,内的妥当性の脅威が大きく影響する(少数の群をランダム化することは潜在的なバイアスを制御でき難いため)可能性が出てくるが,それは群ランダム化試験の主たる欠点である.

 

それらは適切な解析手法を用いること,厳格なデザインのアドヒアランス,潜在的な交絡変数を予測して測定すること,および試験フォロー率(非脱落率など)を増やすことで減少させることができるものもある.

 

 

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