質的研究における時間的側面の例【統計解析講義応用】

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質的研究における時間的側面の例|【統計学・統計解析講義応用】

質的研究における時間的側面の例【統計解析講義応用】


目次  質的研究における時間的側面の例【統計解析講義応用】

 

 

質的研究における時間的側面の例

 

・横断的:デエワーは,重病または重傷患者がどのように自分が置かれている状況に対処するのかを検証した.

 

研究者は,参加者(その状態を3〜25年間耐えている人)に,1回の面接で経時的にコーピング過程を説明してくれるよう頼んだ.

 

・縦断的:レイジング〔Reising, 2002〕は,救命救急ナースの初期の社会化の過程を縦断的に研究した.

 

救命救急の新人ナースに複数回面接し,5か月以上にわたって記録をつけた,

 

質的研究の伝統についての概観

 

質的研究に理論的基盤を提供してきた研究の伝統は,主に,人類学,哲学,心理学,および社会学に由来している.

 

それぞれの専門領域は,1つか2つの広い探究領域に焦点をあてている.

 

人類学は,人間の文化にかかわっている.エスノグラフィー(ethnography ; 民族誌学,記述民族学)は,人類学において主要な研究の伝統である.

 

エスノグラファー(民族誌学者)は,全体論的な方法で文化のパターンや体験を研究する.

 

エスノサイエンス(ethnoscience ;民族科学)〔認知人類学(cognitive anthropology)ともいう〕は,ある文化の認知世界に焦点をあて,行動を形成する意味論的(semantic)規則や共有される意味にとくに関心をよせる.

 

現象学(phenomenology)は,哲学と心理学の双方を学問的起源にもつ.

 

人間の生きられた経験の意味に焦点をあてる.

 

近い関係にある研究の伝統が解釈学であり,人々の生きられた経験には,それらの経験が生じる社会的,文化的背景がある。

 

独立変数と従属変数の発生

 

質的研究者は,通常,研究に「前向き」または「後ろ向き」という用語を研究に適用しないだろう.

 

しかし,現象の全体性をとらえるために,(研究参加者の助けを得て)遡及的に,その現象の発生の端緒となるような先行事象を探索する場合もある.

 

また質的研究者は,前向きに現象の影響を研究することもある.

 

質的デザインで,現象への影響を探索する例

 

・後ろ向き探索:ホーリー〔Hawley, 2000〕は,入院患者による自分の身体的情緒的な健康状態の説明と,ナースが患者にもちいた安楽の方略を患者がどう説明したかということとの関連について研究した.

 

・前向き探索:ウィリアムズ,シュット,エヴァース,ホークアップ〔Williams, Schutte, Evers, & Holkup, 2000〕は,前向き探索を行った.

 

ハンチントン病のような神経変性障害の予測的遺伝子検査から正常な検査結果を得ることの短期的.長期的影響を探索した.

 

政治的,または歴史的な文脈をさらに理解する手段として利用する.

 

解釈学的探究はほとんどの場合,社会的および歴史的に条件づけられた個人が,自らが置かれた文脈において周囲の世界をどのように解釈するかといった,意味と解釈に焦点をあてる.

 

心理学には,上記以外に行動(behavior)に焦点をあてた質的研究の伝統がいくつかある.

 

人間行動学(human ethology)は,人間の行動の生態学として説明され,自然の文脈において展開する行動を研究する.

 

人間行動学者は,行動の普遍的な構造を発見しようと,主に観察法をもちいる.

 

生態学的心理学(ecological psychology)は,環境による人間の行動への影響にさらに具体的に焦点をあて,人間の相互依存性や,人間の環境的文脈を説明する原理を特定しようとする.

 

 

行動学研究の例

 

モース,ペンロッド,カサーブ,デラシーガ〔Morse,Penrod, Kassab, & Dellasega, 2000〕は,外傷チームのプラクティショナーによる安楽にする行動と,それが,経鼻胃チューブ挿入の不快な手順を手際よく行うことにどのように影響するかを研究した.

 

多くの質的研究デザインに共通するいくつかの特徴は確かに存在するが,それぞれの方法はきわめて多様である.

 

残念ながら,さまざまな方法に適用できるような,容易に意見の一致をみる分類体系や分類法はない.

 

分析スタイルによって質的研究を分類する著者もいれば,おおまかな視点から分類を行う著者もいる.

 

1つの有効なやり方は,専門領域の伝統に従って,さまざまな種類の質的研究を記述することである.

 

われわれが生きている世界を理解するためにどのような問いかけが重要であるとみなすかは,これらの伝統によって異なる.

 

外傷事例からの,32の経鼻胃チューブ挿入の試みについて,詳しく分析した.

 

社会学者は,われわれが生きている社会を研究し,質的研究者にとって重要ないくつかの研究の伝統を発展させてきた.

 

クラウンデッド・セオリー,社会的状況での主要な社会的心理的および構造的プロセスを記述し,理解しようとする.

 

エスノメソドロジー(ethnomethodology ; 民族方法論)は,人々がどのように日常活動を理解し,どのように社会を解釈し,それによって社会的に受け入れられるやり方で行動しているかを探ろうとする.

 

この考え方で,研究者は,もはや行動の理由を意識することもないほどにメンバー間に深く浸透しているような,社会的集団の規範や前提を理解しようとする.

 

 

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